2020年12月12日土曜日

パンデミック下の書店と教室

 12.6 「朝日俳壇」より。

〈もう賀状書かず書を読む小書斎 (東京都)吉竹純〉

〈故郷の書店懐かし草の花 (柏市)田頭玲子〉

  12.8 「みなと元町タウンニュース」340号着。拙稿は「諏訪山界隈(3)」、諏訪山にあった動物園のこと。下記で。

https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/2020/12/02/townnews340.pdf

 昼すぎ、近所のパン屋さん。前に並んでいる人を知っているのだけれど、どこの誰だか思い出せない。

12.9 未明、布団の中でうつらうつらしながら、古本愛好家の本がチラチラして、ようやく前日パン屋さんで会った人が古書店店主さんだったと気づく。ぼんやり生きているということ。古書組合が近く、火曜日は市が開かれる。

 12.10 臨時出勤。いつもの職場より大きくて新しくてきれい、セキュリティも万全。でもね、常時勤務はしんどいと思う。


 小笠原博毅×福嶋聡 『パンデミック下の書店と教室 考える場所のために』 

新泉社 1800円+税



 神戸大学大学院社会学教授とジュンク堂書店難波店店長の往復書簡。言論サイト「論座」掲載。

コロナ禍下での民主主義、社会の問題について考える。「学ぶ・本を読む・本を売る」、それぞれの現場から発言する。

 教授は、教室は学びの場だが、そこにいながら意識や思考や想像力はその外部に自由に出ていくことができる場所、と言う。「いまだからこそ、人文社会系の知性やものの考え方が重要なのではないか」と考える。

 店長は、「書店は言論のアリーナ(闘技場)」が持論。休業やら営業時間短縮があった。営業できても、書店員は感染の恐怖のなか通勤し、働いている。お客さんは本を求める。

 私たちは目に見えないウィルスと「決して心地よいものでない共生」をしなければならない。多くの人が感染しているが、もっともっと多くの人はまだ感染していない、身近にもいない。でもね、ウィルスは存在する。感染者・重症者は増加している。今のコロナが収まったとしても、次があるだろう。

統治者はなんやかや言いながら、「国」を前面に押し出し、誰かを標的にして市民を分断しようとする。そうして格差が広がる。「専門家」や「政治家」「知識人」の言うことを素直に受け入れるのではなく、批評的に考えて行動しなければならない。異なる意見の人と語り合わなければならない。「自粛」を「自主」に、誰かを「敵」にすることなく。

 おふたりが読んできた思想家・本を批判も含めて紹介。ブックガイドにもなる。

(平野)