2021年5月23日日曜日

チャリング・クロス街84番地

 5.22 パパさんから手紙、横浜ヂヂさんからワークブック届いて、孫ご機嫌。

晴れ久々。孫と公園から図書館行ってスーパーで買い物。公園でちょっとケンカ。図書館で仲直り。スーパーでまたケンカ。ダッコして和解、重い。

 ヘレーン・ハンフ編著 江藤淳訳 『チャリング・クロス街84番地 増補版』 

中公文庫 820円+税



 1949年、ニューヨークの脚本家ヘレーン・ハンフがロンドン・チャリング・クロス街84番地の古書店マークス社を新聞広告で知る。手紙で英文学、聖書、、歴史、思想書などを注文。初めは杓子定規な文面だが、次第にヘレーンが冗談を交じえ、苦情、督促、本の感想を書き送る。

〈フランク・ドエルさん、あなたは(、、)()なさって(、、、、)いらっしゃるのですか? (、、)()して(、、)いない(、、、)のではないのですか? ただすわり込んで(、、、、、、)いるだけなのでしょう。(中略)さあ、すわってばかりいないで、捜しにいってくださいね。まったく、おたくのお店、よくそれでやっていけますわね。〉

担当ドエルはあくまで真面目に返信、送品。

第二次大戦後、イギリス国民は食糧配給制で困窮していたよう。ヘレーンがたびたび食糧を寄贈。社員や家族が礼状を書く。ドエルは感謝を述べても対お客という立場を崩さない。社員・家族の手紙から、ドエルがヘレーンを大事に思い、彼女が選ぶ本から人柄を理解していることがわかる。ドエルの推奨本が増えていく。

 ヘレーンも古書店の人たちもロンドンで会える日を待ち望むが、叶わぬまま手紙と本と贈りものによる交流が20年続いた。

 原著は1970年刊。邦訳は80年講談社、84年中公文庫。本書では〈「チャリング・クロス街84番地」その後〉を増補。書店「Title」辻山店主のエッセイもあり。

(平野)