5.27 かかりつけ内科診療。コロナワクチンはここで接種してもらえるそう。まだまだ先のこと。夕方市役所から案内と予約券が届いたけど、急ぎません。
■ 小山清 『風の便り』 夏葉社 1600円+税
1911年東京浅草生まれ、1965年死去。太宰治に師事。新聞配達や炭鉱で働きながら執筆。51年から53年にかけて3度芥川賞候補。本書は随筆11編。生活は恵まれなかったが、文章は清々しい。
「夕張の友に」
〈君が所帯を持ったことも、子供が生まれたことも、風の便りに聞きました。この世の中には、風の便りというものがあって、こちらがべつに求めることをしないでも、消息を聞かせてくれるものですね。(中略、小説の中に友の故郷や名前を借用)大袈裟にいえば、それは僕の創作作法ですし、また生きて行く上の心のめどでもあるのです。僕はむかし、小説家を志願したときに、こんなことを思いました。「好きな人のことを褒めることで生涯を送りたい。」〉
「矢車の花」
〈(散歩の足をのばして太宰の墓に行く)私には改まって墓参をする気持はないが、ときたま散歩の途中でふと行ってみたくなり、墓のまわりをうろついて帰ってきたりする。こちらもなにか話しかけたい気にもなるし、また太宰さんの方でも、なにやらぼそぼそいうような気もする。〉
「風の便り」
〈僕が生きているとき、君も生きている。あんまりボシャボシャ雨が降ったり、あんまり夜がまっくらだったり、それに、生きているということがどんなことだか、僕にははっきりわからなかったり、今日もボンヤリ、僕はと云えば、しているだけだけれども。〉
(平野)本の写真、孫のおもちゃを借り、ついでに持ってもらう。