5.20 あめがふります。木曜は孫とヂヂ留守番。いっしょにゴミ出し、近所のなかよしおばちゃまおじちゃまに朝のあいさつ。
トランプ、絵本、運動。
トランプは彼女がルール、都合よく変わる。ヂヂはどんなゲームか理解していない。
■ 田畑書店編集部編 『色川武大という生き方』 田畑書店 1600円+税
色川武大(1929~89年)。色川名で純文学、阿佐田哲也他の名で娯楽小説を執筆。ギャンブラーで難病を抱え、最後の無頼派と言われる。本年、33回忌。
本書は全集全16巻(福武書店、1991~93年)の月報・解題をまとめる。執筆者33名、先輩、友人、後輩らが色川の魅力を語る。既に多くの人が鬼籍に入った(おひとり、長く色川の父と文通をした人が連絡先不明)。
立川談志の表現が的確。
〈私の色川武大兄(アニ)さんは、先生は何ともいい人で……いい人とは露骨にいやあこっちにとって都合のいい人のことで、私の識りたいことを書いてくれて、聞きたいことを教えてくれて、行くとごちそうしてくれて、飲ませてくれて、相談に乗ってくれて、私の統(ひき)いる立川流落語会の顧問にもなってくれていた。/なにそれは私にばかりではない。色川先生を知る全ての人がそういっているのだから、早く死ぬ訳である。あれぢゃあ身体がいくつあったって持ちゃあしない。死んだほうが楽である。〉
文学史上のスターを父に持つ作家と同時に文学賞を受賞したとき、祝いの会で酔った関係者がその人にしつこく絡んだ。父親に比べクズ云々と。見かねた色川が相手の男を諭した。
〈親への愛情は愛情として疑ってはいけないものだと思いますよ。他人がそれについて、言うべきものではありません。ねえ、そうでしょう。ぼくだってそうだし、あなただって、そうでしょう。だから、もうやめにしましょう。〉
色川も父親のことをたくさん書いている。
年譜を見ると、戦後の5年ほど博打で喰いしのぎ、家出して各地徘徊、どこで何をしていたのか本人も記憶混沌、とある。さまざまな修羅場を経験しただろう、他人に助けられただろう、と想像する。
私はギャンブルする度胸はないし、麻雀も知らない。人間の弱さや欲、どうしようもなさ、性というか業というか、は何となくわかる。『うらおもて人生録』で人生の「運」について考えたし、9勝6敗を狙え、に納得した。私は負け越しだろうが、かけがえのない勝があると思っている。
(平野)