2021年6月24日木曜日

寄席育ち

  6.22 いつもどおり姉孫とケンカしてはなかなおり。昨日は手紙を書いてくれたのに、また言い合い。でも遊ぶ。

 緊急事態宣言解除で、図書館で新聞閲覧可能になる。ありがたい。元町原稿用、久坂葉子の自殺記事を探す。19521231日夜の事件、正月1日に記事なし。2日は休刊日。3日、神戸新聞は父名義の葬儀すみ報告掲載だけ。同社創業家ゆえ見送ったのだろう。同日の朝日新聞は〈「つぼみ」で散る文学〉と題し、実名で報道。実兄と竹中郁のコメントも。



 午後、姉孫と買い物。本屋さんで大声「ジイジ~!」と何度も呼ぶ。疲れているが、よく歩く。

 

 6.23 通勤と休み時間に落語本を読み始める。

 三遊亭圓生 『六代目圓生コレクション 寄席育ち』 岩波現代文庫 1580円+税



 江戸落語、昭和の名人のひとり、六代目圓生(1900~1979年)。

寄席初舞台は6歳、子ども義太夫の人気者。9歳の時、医者に義太夫の発声は無理と診断され、噺家橘家圓蔵に弟子入り。母親(育ての親)が圓蔵の弟子・二三蔵(のち五代目圓生)と結婚。書名どおり寄席育ち、芸道一筋。明治・大正・昭和の芸人・名人たち、芸談、修業人生を語る。江戸落語・芸能史の貴重な記録。生まれは大阪、複雑な生い立ちも。

 読書のこと。小さい時から忙しく、学校に行っていない。遊ぶヒマもなく、楽しみは本。巌谷小波のお伽話、縁日で買う雑誌の冒険小説、稽古をつけてくれる噺家に教えられた江戸文学、それから夏目漱石。

……「これァ君、面白いよ」とすすめられて、『吾輩は猫である』ってのを読みました。その時は、面白いには面白いが、まだ十代ですからね、本当のよさは判らなかった。後に読みなおしてみた時に……あれは三度か四度読みましたが、だんだん判ってきて、なるほどと思いました。読むたんびにますます面白くなりますね。〉

 楽屋で本を読んでいると先輩に怒られたそう。ゆっくり本を読みたい、と言うのが願いだった。そう言えば、漱石は落語通。

(平野)