2021年9月4日土曜日

お話し供養

 8.29 「朝日歌壇」より。

〈毎日が成長の日々零歳児今朝から本を食べなくなった (知多市)高田真希〉

 同じく「朝日俳壇」より。

〈元町はいつも夢あり花氷 (神戸市)藤井啓子〉

 8.30 蒸し暑いけど、風を感じるときもある。でも、あっつうーい! マンション仕事、居住者さんたちが労わってくださる。

 妹孫は3ヵ月になった。まんまんまるまる。姉孫の3ヵ月のときよりもまるいかもしれない。それにしても美人姉妹である。ヂヂバカチャンリン。写真許可出ず。

「朝日」夕刊に〈まちの記憶 阿佐ケ谷 東京都杉並区〉。阿佐ヶ谷、荻窪に住んだ井伏鱒二、上林暁、木山捷平ら、大正から昭和の文士たちが交遊した「阿佐ケ谷会」。その会場は仏文学者・青柳瑞穂宅。孫のいづみこが思い出を語る。彼女の本『阿佐ケ谷アタリデ大ザケノンダ』を注文。



 井伏が青柳のことを書いている。彼は美術評論家でもあり、骨董愛好。骨董のことで冗談を言うと怒る。「掘り出し物」と言うのはだめで、「埋もれた文化を捜し得た」と言わなければならない。見せてくれ、もだめ。「眼福の栄にあずからせて頂きたい」と。

(井伏鱒二「青柳瑞穂と骨董」『人と人影』講談社文芸文庫)より。

 9.2 本日臨時出勤。働きすぎちゃう?

「みなと元町タウンニュース」更新。拙稿は「諏訪山界隈」最終回、富士正晴の久坂葉子追悼活動。

 https://www.kobe-motomachi.or.jp/motomachi-magazine/townnews/

 姉孫から手紙。字を便箋の線にそろえて書けるようになった。読み終わったところに、LINE電話かかる。新しい絵本を見せてくれる。ヂヂもほしい。

 9.3 集中豪雨のあと、もう秋雨か? 

 政局は揺れ動く。総裁選挙不出馬を表明した現職の功績について、携帯電話料金値下げと言う人がいた。議員や著名人でも多くの仕事をしたと評価する人がいる。そうなんや~。私は、前任者の後始末を押しつけられて結局あかんかった人、と思う。

「朝日夕刊」に太宰治「富嶽百景」のモデル女性のこと。井伏鱒二が執筆の際逗留する山梨県富士河口湖の茶屋を太宰が訪ねる。その茶屋の娘さんがその女性。太宰は井伏が帰ったあとも滞在して原稿を書き、地元の人たちと交流。作中、井伏と山に登った時、井伏が放屁したことまで書いた。井伏は事実無根、と抗議した。太宰は「確かになさった、二つなさった」と大笑いした。


 

 『永六輔のお話し供養』 文/永六輔 絵/唐仁原教久 小学館 1500円+税 

201212月初版 2016112

 亡くなった友たちへの供養。渥美清、淀川長治、石井好子、坂本九、中村八大、いずみたく、岸田今日子、立川談志。世間の人が知っている話、永だけが知る話。

「死者を覚えている人がいる限り、その人の心の中で生き続けている」

 そのご本人も2016年に亡くなった。

 


(平野)