1.18 内科診療所。待ち時間、後藤正治「藤沢周平評伝」(『文豪ナビ 藤沢周平』新潮文庫所収)を読む。お医者さんはカルテに私の家事や孫のことまで書き込む。
1.19 水島新司追悼記事が社会面・文化面・スポーツ面に。
姉孫から家人の誕生日を祝う手紙。オマケに年賀状用写真の候補2種類も。どれもかわいい、ニコニコ、チャンリンチャンリン。
■ 関川夏央 『人間晩年図巻 2008―11年3月11日』 岩波書店 1900円+税
天寿をまっとうした人、病に蝕まれた人、死因不明の人、事故、自死、そして災害死。「晩年」を「晩年」と認識して死を迎えた人、思いもよらぬ短い「晩年」を過ごして旅立った人も。彼らは若き日・壮年期をどう生きたのか、ひとりひとりの人生と時代を辿る。
「11年3月11日」は東日本大震災。本書最後は、津波にさらわれた家族のこと。奇跡的に助かった愛児が家族に捧げる手紙。
山田風太郎『人間臨終図巻』は歴史上の人物の臨終と栄枯盛衰を描いた。本書は「現代史の本」。
〈現代史を、直接にではなく表現する手立てはないかと思案し、時代の刻印を受け、また時代そのものをつくった有名人・無名人、その全盛期と晩年の記述で実践してみた。〉
年老いて「晩年」を生きることは幸せなのだろう。でも、今が「晩年」と意識する人は少ない。
(平野)