2.6 芥川賞作家氏急死の報。まだ若い。死因は不明らしい。先週は1956年芥川賞作家で政治家が亡くなった。私は彼らの読者ではないけれど、ご冥福を。
「朝日俳壇」より。
〈福寿草子の教科書を妻の読む (市川市)をがはまなぶ〉
寒い。歯磨き・洗顔の水は冷たい。洗濯物を干す手はかじかむ、痛い。でもね、お日さまの光はまぶしい。立春を過ぎた。あとひと月くらい辛抱。
2.7 前回紹介の『明治東京畸人傳』は単行本。本棚をいじっていたら文庫本も発見。どちらも古本屋さんで購入。気づかないまま「並べ読」になっていた。
孫とLINE電話。姉としりとり絵本。ときどき妹が声あげる。食後の団欒、ヂヂバカちゃんりん。
■ 須田努 『幕末社会』 岩波新書 940円+税
幕末・維新の時代。幕府はなぜ崩れ、誰が壊したのか。歴史に名を残す偉い人ではない庶民はどのように激動の社会を見ていたのか、どんな行動をしたのか。キーワードは「仁政と武威」崩壊、「百姓一揆・騒動」という抵抗運動。
民衆運動研究学者・須田は、集合体「衆」とそのネットワーク、時代を象徴する「個」の生き方に注目する。地域社会のつながり、思想学問や剣術つながり、博徒、悪党ら、「衆」のエネルギーは政治の動きにどう反応したのか。「衆」に影響を与えた魅力的な「個」たち(国定忠治、吉田松陰、緒方洪庵ら著名人。三浦命助、菅野八郎、松岡小鶴、竹村多勢子となると、誰?)。彼らはどう考え行動したのか。
須田は幕府崩壊の起点を天保期(1830~43年)と見る。
〈……天保期、幕藩体制を支えていた政治理念である仁政と武威が揺らぎはじめ、幕藩領主がそのことを自覚し始めたからである。〉
天保の改革失敗、百姓一揆、大塩平八郎の乱、欧米軍事力の接近、「内憂外患」情勢だった。幕末まで30年ほど。
〈……天保期以降、若者のエネルギーと、“衆”として結集した社会的ネットワークとが、既存の社会秩序を日常レベルから、じょじょに崩していったといえるが、その動きはじつに遅々としたものであった。幕藩体制が崩壊するまで約三〇年もかかったわけである。彼らの意識は日常にあったが、ゆっくりとした変化の歴史的蓄積に、大きな政治変動が作用して社会は変わっていった、と理解できる。〉