3.7 仕事休み、図書館休館日、買い物しながら古本屋さんを覗く。
3.10 朝も暗いうちから大型ゴミ出し。本日は地域の資源ゴミ、市のプラスチックゴミ回収もある。
3.11 マンション営業担当氏訪問あり。〈3.11〉の話。当時彼は東京勤務、帰宅するのに徒歩4時間かかったそうだ。その時、私は何をしていたか(飲んだくれていた)、恥ずかしくて言えない。
昼休み、近くの公園で弁当。食後、本を読んでいたら、散歩のワンちゃんが近寄って来た。飼い主さんは「行こう」と急かせるが、私の前から離れない。しばしスキンシップ。
3.12 花壇のさくらんぼが咲きはじめる。姉孫に写真送ると、「たべたいねえ」の返事。
■ ジャン=イヴ・モリエ著 松永りえ訳
『ブックセラーの歴史 知識と発見を伝える出版・書店・流通の2000年』
原書房 4200円+税
〈書籍販売業の歴史は非常に長く、少なくとも中近東、中国、そして西洋では数千年前から続いている。古代から物語に登場する〈リブラリウス〉すなわち書籍商とは、一般的には自分の店で販売する原稿の写字を行なう奴隷のことを指していた。(略)〉
西暦80年頃の詩にその解放奴隷が登場する。そのはるか昔、紀元前のギリシア哲学者たちは書店で批評しあっていた。
フランス語辞書『ロベール』での「書店」は「本が売られている店」という定義に加えて、「一九世紀になるまで数少ない」職業とあるそうだ。14世紀の辞書では、〈リブレール〉=書籍商は、「自分の写字室の本の保管に気を配る司書」を指す。17世紀の文人によれば、〈リブレール〉とは本を売る人。印刷技術によって「本を作る職人という意味もできた。行商人もいた。
本書の書籍販売業という職業は、司書、図書館員、写字師、カリグラファー、行商人、店を持つ商人、露店商人、新刊、古書、羊皮紙商、紙商、製本職人、校正者、印刷業、出版業、取次業、流通業を含む。彼らは書籍を作ること、扱うこと、商うことで、知識・情報を伝え、人と人をつないできた。
本の素材が粘土、木、葉、樹皮、動物の革、紙と変わり、本の形も板、巻物、冊子になった。いまや電子データ。大手チェーン店の進出、個人商店の衰退、自由価格、何よりネット販売の普及。日本だけではなく、世界的問題。
それでも著者は楽観的だ。本や書店を題材にした小説・映画が生まれヒットする。最近ではネット配信ドラマで主人公の書店員(原作は小説、極めて危険な犯罪者)が人気らしい。
〈……この数十年でサスペンス小説、やがて映画、そしていまやテレビドラマシリーズの主人公となった書店員が変幻自在に描かれるありさまは、なぜ五〇〇〇年ものあいだ、書籍販売業者が滅亡することなく、あらゆる逆境を乗り越え生きのびてこられたか、その理由を私たちに問いつづけている。〉
現在のフランス書籍販売業の新しい試みや多様性も紹介。
著者はフランスの大学名誉教授、出版・書籍・読書の歴史を専門にする。フランス、ヨーロッパを中心に書籍販売の歴史をたどる。原著フランス語なのに書名「ブックセラー」とはこれいかに?
(平野)