2022年9月22日木曜日

図書館の日本文化史

9.16 孫電話。姉と相撲話。新入幕の力士の名前も覚えている。『しりとり』絵本勝負はヂヂの13敗。妹は姉の幼稚園バッグを肩にかけて帽子かぶって、手帳をめくっている。姉は絵本だと取り上げるのに、幼稚園グッズは貸してあげる。

9.17 「朝日新聞」別刷り「be on Saturday」の〈はじまりを歩く〉は日本の野球草創期のエピソード。米国人教師ウィルソン、正岡子規、夏目漱石ら登場。

 朝、台風を気にしながら墓参り。午後買い物。子規の野球文集。

 


BIG ISSUE439号。巻頭の「リレーインタビュー 私の分岐点」は作家・柳美里〈311後、求められるままに生きてきた「私」という布地はいつでも編み直せる〉。


 

9.18 早朝、家人は台風を気にしながら外出。いつもどおりヂヂ留守番。自分用の晩ご飯用意して、図書館。

9.19 「朝日新聞」〈声〉投稿から。中島俊郎「救われた 中井久夫先生の助言」。阪神淡路大震災で肉親を亡くした悲しみ。中井さんの助言は、「泣くときは涙がかれるまで泣きなさい。余裕ができたら好きな詩を何度も愛唱しなさい」。投稿者は英文学研究者。



 台風接近を恐れ、買い物は近所のスーパーのみ。

9.20 夜中目があく。いつもならすぐ寝てしまうのに、眠くならない。雨風静か。仕方なく本を開く。小一時間でまた寝る。

 

■ 高山正也 『図書館の日本文化史』 ちくま新書 920円+税



 著者は慶應義塾大学名誉教授、元国立公文書館館長。専門は図書館情報学。

〈図書館は知的精神的文化と密接に関連している。そこで、日本における図書館の発展の跡をたどることで、日本の文化や歴史の概要を把握するために僭越にも入門書となる書を執筆しようとした。〉

 本書は図書館そのもののことだけではなく、書物・出版・印刷術の発達、書物の内容としての文学・芸術・科学の歴史、書物の蒐集・保存、情報の伝達、そして教育制度、それらに関係した人物たちを論じる文化史。古代の漢字伝来から仮名の発明、公家・武家文化、江戸時代の商業出版、教育改革の歴史を経て、明治の図書館の成立になる。順調に公共図書館が整備されたかというと、まだまだ苦難の歴史があった。

 図書館は無料で本を借りられる場所、冷暖房完備の快適空間で時間つぶしできる場所、という利用も多い。受験生にとっては勉強できる場所。子どもの安心な遊び場かも。民間業者が運営している図書館もある。自宅で国会図書館の蔵書を読むことが可能になった。

無料貸本屋兼カフェでいいのか? デジタルが発達すれば紙の本はいらないのか? 司書や働く人の側の問題点は?

 そもそも図書館とはどういう場所で何のためにあるのか。公共のため、私たちのためにある。未来のために保存し過去と現在を伝えるため。現在利用する私たちは本を大切に扱いましょう。

(平野)