2015年3月19日木曜日

金子國義


金子國義さん、316日逝去。自伝『美貌帖』(河出書房新社)が遺著になった。

 芸術は遊びの精神からでてくるものだと今でも信じて止まない。
 そして人生というものには、筆でさらさらっと描いたように、自然のまま結ばれる一本の線があると思う。刻々変わりゆき清濁あわせ呑むかのようでいて、微塵のためらいもない、毅然とした凛々しさにさえ、一致するひとすじの流れ。少なくとも僕は、たえずその流れのなかを生きてきたような気がする。
 明日はどうなるのかとよく聞かれるが、明日は分からないというのが僕の主義。(略)
 

 明日はない、と思って今日を生きることを大切に考えている。

(あとがき)

 
『美貌帖』本体表紙。
(平野)