2017年7月1日土曜日

まど・みちお詩集


■ 『まど・みちお詩集』 谷川俊太郎編 岩波文庫 740円+税

 まど・みちお(本名・石田道雄)は20142月、104歳で亡くなった。生い立ちや詩について語ったエッセイも収録。

まどの年譜を見る。1951年、教育家に童謡を依頼され、「ぞうさん」他を書いた。翌年、先輩詩人・佐藤義美がNHKラジオ「うたのおばさん」に持ち込み、團伊玖磨が作曲。このとき、佐藤が原詩「おはながながいね」を「おはながながいのね」と改稿した。
 
 

カバー写真は「やぎさんゆうびん」草稿の一部。2番、手紙を食べてしまった〈くろやぎさん〉が〈しろやぎさん〉に電話する。電話だったら、堂々巡りにならない、面白くない。

「やぎさんゆうびん」は53NHKで放送(團伊玖磨作曲)。私は「さっきの てがみの ごようじ なあに」と覚えているが、本書では「さっきの おてがみ ごようじ なあに」となっている。まどは、他の行に「おてがみ」と書いたし、相手から来た手紙なので、発表後に直した。

《ところが、あとになって私は、この末行は手紙をたべてしまうほどの頓馬山羊の発語なのだから、その語法も頓馬であってこそ相応しいのだ、と気がつきました。要するに原作に戻したくなったのです。》(おっちょこちょいの見栄っ張り)

 でも、ほとんどの人が「てがみの~」で歌っているように思う。

(平野)
「ぞうさん」を「おはなが ながながな~」と歌っていた。