■ 荻原魚雷 『日常学事始』 本の雑誌社 1300円+税
書名どおり日常の衣食住についての体験談。ひとり暮らしの自炊はお茶をいれることから始めよ、家事はやればやるほど早くこなせる、荻原流ネット依存(洗濯ネット)、ゴミ出し(収集日と回収品目)を知ることの重要性などなど。お金の話もある。
フリーライターで自分ひとり食べていく生活だった。32歳で結婚したが貯金ゼロ。ひとり暮らしの知恵と経験は結婚生活でも活かされている。好きな仕事をして好きな本を買って読んで生きていく。お金はなくても無理せず生きたい。病気になると困るから清潔、整理整頓、掃除を心がけるが、やりすぎは禁物。
《生活を疎かにすると、気持が荒む。かといって、過度にストイックな暮らしは長続きしない。のんびりくつろげる環境を作るのは簡単なことではない。/無理のない快適な生活――それこそが「日常学」の目標だと思っている。》
荻原の著書をあげておく。『活字と自活』『書生の処世』(本の雑誌社)、『古本暮らし』『閑な読書人』(晶文社)、『本と怠け者』(ちくま文庫)。著書も日常生活。
荻原は怠け者と自称するが、なかなか勤勉。私も家事担当だが、なかなか向上せん!