2022年4月21日木曜日

かれが最後に書いた本

4.19 朝のうちに家事すませて、ギャラリー島田DM発送作業。WAKKUN在廊中。女性ファンが続々入って来られる。

WAKKUN展「友達がいてよかった」上村亮太展「僕、ユニヴァース」開催中。4.27(水)まで。

 




 津野海太郎 『かれが最後に書いた本』 新潮社 2100円+税



 1938年生まれ、劇団「黒テント」演出、晶文社編集、大学教授、図書館長他歴任。病気に怪我、コロナで、「自発的自宅蟄居」。古くからの友、頼りにしていた人たち、自分より若い人たちの死が重なる。樹木希林、橋本治、和田誠、池内紀、古井由吉、加藤典洋、坪内祐三、平野甲賀、小沢信男……

……そのせいで『かれが最後に書いた本』などという、当初は思いもしなかったタイトルになってしまった。それにしても、なんで私がこのリストに入ってないのだろう。なんだか落ち着かない気がするぞ。〉

 逝ってしまった友たちの本を開く。

〈若いころは親しい友人が死んだりすると、じぶんが被った喪失感もだが、それよりも死んだやつがかわいそうで、そのたびにジタバタしていた。/でも、いまはちがう。たしかにジタバタはしなくなったが、それでいて、死んだかれらとのつながりは、いまの方がつよく感じられる。動くかれらがいなくなり、私もまた、ほどなく動きを止める。三途の川をはさんでの、そんな人間同士のさしのつきあい(「さし」原文傍点)。ともあれ、案外、さっぱりしたものなのですよ。〉

 

(平野)