4.4 花冷えの日々。
積ん読が高くなって来たのはいつものことだが、PR誌まで増えてきた。
夜、孫と電話。姉としりとり。妹はヂヂババの顔覚えてくれて画面に手を伸ばしてくる。
4.5 図書館で元町原稿調べ。次回は明治海運業の傑物とその子息シリーズの予定。
元町で「BIG ISSUE」428号、表紙とインタビューは歌手のAI。姉孫がこの人の歌を上手に歌ってくれる。ヂヂバカちゃんりん。
5月初旬閉店予定の本屋さん。レジの人に話しかけるのは辛い。
4.6「みなと元町タウンニュース」356号着。神戸駅から元町地域のまちづくり構想、建築散歩、元町商店街と地域のニュースなど。拙稿は元町学校史、パルモア学院と啓明女学院。
■ 内田魯庵 『新編 思い出す人々』 岩波文庫 1994年初刷 手持ちは2001年2刷
解説 紅野敏郎
魯庵(1868~1929年)。文芸評論、翻訳、小説執筆。書誌学者でもある。「その最大の仕事は、丸善の『学鐙』の編集」と明治文化史回想。
本書では、二葉亭四迷、坪内逍遥、尾崎紅葉、山田美妙、鷗外、漱石、露伴ら明治の文人たち、明治初期の画家・淡島椿岳、新聞人で政治家・島田沼南、それにアナキスト大杉栄との交遊。江戸文学・滝沢馬琴も。
特に二葉亭四迷(1864~1909年)と親交が深く、彼の死を悼んだ。両人初対面の場面。まず四迷が魯庵訪問するも留守。魯庵が四迷の自宅を訪ねた。部屋は暗い土蔵、テーブルあるが椅子なし、薄暗いランプを置いた小汚い本箱。
〈風采は私の想像と余りに違わなかった。沈毅な容貌に釣合う錆のある声で、極めて重々しく一語々々を腹の底から搾り出すように話した。口の先で喋べる我々はその底力のある音声を聞くと、自分の饒舌が如何にも薄ッぺらで目方がないのを恥かしく思った。〉
四迷と本の話をし、文章論、文体論を聴き「千丈の飛瀑に打たれたような感があった」。
〈……それまで実は小説その他のいわゆる軟文学をただの一時の遊戯に過ぎないとばかり思っていたのだが、朧ろ気ながらも人生と交渉する厳粛な森厳な意味を文学に認めるようになったのはこの初対面に由て得た二葉亭の賜物であって、誰に会ったよりも二葉亭との初対面がもっとも深い印象を残した。〉
(平野)