6.21 「朝日新聞」〈天声人語〉書店消失。
ギャラリー島田DM作業。7月の予定。
●「杉山知子展」(7.9~7.26)
●「おしいれのぼうけん 子どもの心を描いた田畑精一展」(7.30~8.7) 有料イベント(入場料500円)
古本屋さんを覗いたら、夏の古本市案内あり。
●「古書ノ市」 神戸阪急本館9階 7.13~18
●「さんちか古書大即売会」 さんちかホール 7.28~8.2
●「下鴨納涼古本まつり」 下鴨神社 糺の森 8.11~16
6.24 妹孫がヨチヨチ、アンヨがじょうず。姉は「五番街のマリーへ」熱唱。
■ 萩原朔太郎 『恋愛名歌集』 岩波文庫 640円+税
朔太郎没後80年。初版は1931(昭和6)年第一書房刊。
古代に生まれた和歌という詩の形が現在も存続している。
〈……日本の歌は、日本語の特殊な性質――実際それは世界的に特殊である――と関聯して、他国に類のない韻文である。したがってその芸術価値も独自であり、西洋の抒情詩等と優劣を比論し得ない。けれども他の日本語詩との比較においては、すくなくとも韻律構成の上において、歌が最も発達した神経を有して居る。(略)〉
「万葉集」について、
〈……「万葉集」は、興国新進の気運に乗じた上古人が、大胆率直に情緒を解放した歌集である。ゆえにその歌風は自然直截で力強く、詩感は奔縦不羈で活気に富み、格調は荘重剛健で威風に充ち、情熱は素朴で赤裸々に表出されている。〉
万葉歌人には柿本人麿、山部赤人、山上憶良、大伴旅人ら天才はいるものの、多くは庶民。自然生活に歌の題材を求めた。
〈草まくら旅にし居れば苅薦(かりごも)の乱れて妹に恋ひぬ日はなし 作者不明〉
「古今和歌集」以降は、
〈……万葉の豪壮に対して優美を尊び、率直に対して趣向を好み、経験に対して空想を取り、自然に対して構成的の技巧を選んだ。〉
平安歌人は宮廷生活の花鳥風月。その宮廷での恋愛経験は自由に表現された。恋歌を芸術的に洗練した。
〈……この恋愛部門だけが、「古今集」全一巻の生命であり、その特殊な優美なスタイルと相俟って、万葉以来の新しい詩的価値を創造して居る。〉
〈ほととぎす鳴くや五月の菖蒲草(あやめぐさ)あやめも知らぬ恋もするかな 作者不明〉
「新古今和歌集」は、
〈……技巧的構成主義の歌が到達し得た極地であり、平安朝歌壇三百年の修養を総決算した、最後の成果である。〉
武家社会になり貴族は衰退。その悲痛は、西行のような出家遁世、もしくは藤原俊成・定家らの宮廷執着。
〈この絶望的な厭世観と耽美主義と、これが実に「新古金集」全巻を貫く主題である。〉
〈遥かなる岩のはざまに独り居て人目思はで物おもはばや 西行〉
〈玉の緒よ絶えなば絶えね長らへば忍ぶることの弱りもぞする 式子内親王〉
(平野)『名詩集』と思っていて、いつになったら近代詩が出てくるのか、と読んでいた。おバカヂヂ。古典の授業で教わったんだろうけど、基礎知識なし。七五調と五七調の違いも知らず、韻律のことや枕詞は平安朝に衰滅したことも。