3.12 「朝日俳壇」より。
〈うきうきと選手名鑑繰る球春 (東京都)三神玲子〉
〈立読みの書肆消ゆる街春寒し (所沢市)小林貞夫〉
図書館。
夜、気になって野球中継を見てしまう。現役日系メジャーリーガー、元気にプレイ、人柄の良さが伝わる。
孫たちの写真。大学受験終わった親戚とディズニーランドで大はしゃぎ。お姫様ドレス着て、目を腫らしながら(花粉症)楽しんだよう。
3.13 未明の雨でさくらんぼの花がだいぶ散った。
夕方のテレビニュース。3月3日、大江健三郎逝去。
『大江健三郎 作家自身を語る』(新潮社、2007年)より。生まれ変わっても小説家に? と問われ、
〈生まれ変わらぬことをねがっています。しかし、もし生まれ変わったら、私にはもう小説に書くことはないでしょう。この生涯において、才能とかそのスケール、高さなどはいわぬとして、とにかく私は小説家として怠けず働いたと、生まれ変わりをつかさどる役の存在がいたら、申したてるつもりです。〉
ご冥福を祈る。
■ 森英介 『風天 渥美清のうた』 大空出版
2008年7月初版 手持ちは2019年第6刷
昨秋神保町ブックフェスティバルの版元バーゲンで購入。
渥美清は私生活を明かさなかった。家とは別に部屋を借りて、仕事を家庭に持ち込まなかった。役柄とはまったく一致しない。病を抱え、ストイックな生活だった。その彼がアマチュア句会に参加していた。編集者たち中心の会やメディア著名人らが集まる会など遊びながら楽しみながらの会。元新聞記者が俳句から「厚いベールに包まれた渥美清の心の原風景を覗いてみたくなって」探し回る。私信に書いた句もあり、句友たちの証言も。
俳号、風天。
『カラー版 新日本大歳時記』(全5巻、講談社、2000年)春の巻「遍路」に、「お遍路が一列に行く虹の中」。高浜虚子ら専門家の句と共に選ばれている。
村上護『きょうの一句 名句・秀句365日』(新潮文庫、2005年)にも遍路句と批評、代表句掲載。
インターネット「増殖する俳句歳時記」には、「赤とんぼじっとしたまま明日どうする」などが取り上げられている。
https://www.longtail.co.jp/~fmmitaka/auth.html
森が集めた句は220。「渥美清はきわめて孤独の人だが、その孤独をしっかり楽しんでいた粋な人でもあった」。
〈あと少しなのに本閉じる花冷え〉風天
石寒太が全句を解説。
(平野)