3.21 高槻墓参。家人従姉妹一家と合流。家を出る時はBCメキシコ戦リードされていた。逆転サヨナラ勝ちに驚く。選手たちの力は素晴らしいが、ずっと応援していたファンも偉い。ヂヂは絶対見ていられない。
新刊本ストックなくなり、積ん読本。『岡本綺堂』(ちくま日本文学全集、1993年)、「半七捕物帖」、幕末世間話「三浦老人昔話」、怪談「青蛙堂鬼談」、戯曲2篇。解説・杉浦日向子。
3.22 仕事中、WBC決勝戦結果をマンション郵便受けの夕刊見出しで知る。経過を誰かに訊いたり、ネットニュース見ると負ける気がして。選手、関係者、野球ファンの皆さん、おめでとう。
積ん読本。『大佛次郎』(ちくま日本文学全集、1992年)。鞍馬天狗「宗十郎頭巾」、明治初期没落士族の少年の社会意識「幻燈」他。鞍馬天狗=倉田典膳は敵にも味方にも素顔と名前を知られている。解説・鎌田慧。
■ 西條奈加 『わかれ縁(えにし) 狸穴屋お始末日記』
文春文庫 660円+税
主人公・絵乃。夫は男前だが、浮気に借金。女性を金蔓としか思っていないワル。別れようと思いながらズルズル。高額の借金に絵乃は苦界に沈められるかも。今度こそ愛想が尽きた。夫を殺して自分も、と思った時にぶつかった男が公事宿「狸穴屋」の手代。民事の訴え事を代行、なかでも離縁を得意にしている。絵乃には費用のあてはない。手代が女将を説得して、絵乃は見習いとして働くことに。
「縁組も離縁も、縁には変わりない。繋がる縁もあれば、わかれ縁(えにし)もあると――常々女将さんも、口にしなすっているじゃねえですか。(後略)」
手代はたまたま見かけた絵乃の様子を変に思い、わざとぶつかった。
現代でも家族のささいなもめ事が厄介事になる。家族だからこそややこしい。江戸時代も同じ。嫁の実家の借金、嫁姑、親権、跡継ぎなど、ベテラン公事師とともに絵乃が解決に関わる。
その間、絵乃の身辺も慌ただしい。出奔した母と再会。夫が刺され、母が自首。絵乃は離縁して自立できるのか、母の真意は……。
(平野)