2013年10月29日火曜日

古書ミステリー倶楽部


 ミステリー文学資料館編 

『古書ミステリー倶楽部』 光文社文庫 800円+税 

 

二冊の同じ本  松本清張

怪奇製造人  城昌彦

焦げた聖書  甲賀三郎

はんにん  戸板康二

献本  石沢英太郎

水無月十三么九(みなづきシーサンヤオチュー)  梶山季之

神かくし  出久根達郎

終夜図書館  早見裕司

署名本が死につながる  都筑道夫

若い沙漠  野呂邦暢

展覧会の客  紀田順一郎

倉の中の実験  仁木悦子

解説  新保博久

 

口絵は江戸川乱歩(「貼雑年譜」より)。

 



『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒットで若い人にも古書ミステリーが人気。

 教会の秘密が隠された中世の写本をめぐって秘密結社が暗躍、世界にただ1冊の稀覯書を奪い合う殺人、というほど大規模な事件ではないけれど、古本と人間のミステリアスなドラマ(殺人もある)12篇。

 元の持ち主の書き込み、古い日記帳、本に隠された証拠のメモ、推理小説の犯人を教える記述、献本に秘めた恋と殺人、書物愛が嵩じて人の皮膚で装丁、古書展と怪しい客の話など。

 

 梶山・野呂・紀田作品は既読。でもね、だいぶ読み進んでから、あーあー、と思う。野呂作品にいたっては、終盤神戸の街が出てくるのをすっかり忘れている。

 

 出久根作品。子どもの時なくした童話集を40年経ってとんでもないところで発見してしまう。なぜそこに自分の本が? 2ページ半の掌篇。

 

 日記 1029日 火曜日

 残務作業は午前中で終わる。
 灘の古本屋さん「ワールドエンズ・ガーデン」の「海文堂思い出の一冊展」。

 キッチンミノル撮影の写真展示。夏葉社写真集には収録されていない写真も。

 お客さんの「海文堂で買った本」。あの人もこの人も参加。

 



「乱歩」論と「竹中郁」。

(平野)