■ ミステリー文学資料館編
『古書ミステリー倶楽部』 光文社文庫 800円+税
二冊の同じ本 松本清張
怪奇製造人 城昌彦
焦げた聖書 甲賀三郎
はんにん 戸板康二
献本 石沢英太郎
水無月十三么九(みなづきシーサンヤオチュー) 梶山季之
神かくし 出久根達郎
終夜図書館 早見裕司
署名本が死につながる 都筑道夫
若い沙漠 野呂邦暢
展覧会の客 紀田順一郎
倉の中の実験 仁木悦子
解説 新保博久
口絵は江戸川乱歩(「貼雑年譜」より)。
『ビブリア古書堂の事件手帖』のヒットで若い人にも“古書ミステリー”が人気。
教会の秘密が隠された中世の写本をめぐって秘密結社が暗躍、世界にただ1冊の稀覯書を奪い合う殺人、というほど大規模な事件ではないけれど、古本と人間のミステリアスなドラマ(殺人もある)12篇。
元の持ち主の書き込み、古い日記帳、本に隠された証拠のメモ、推理小説の犯人を教える記述、献本に秘めた恋と殺人、書物愛が嵩じて人の皮膚で装丁、古書展と怪しい客の話など。
梶山・野呂・紀田作品は既読。でもね、だいぶ読み進んでから、あーあー、と思う。野呂作品にいたっては、終盤神戸の街が出てくるのをすっかり忘れている。
出久根作品。子どもの時なくした童話集を40年経ってとんでもないところで発見してしまう。なぜそこに自分の本が? 2ページ半の掌篇。
◇ 日記 10月29日 火曜日
残務作業は午前中で終わる。
灘の古本屋さん「ワールドエンズ・ガーデン」の「海文堂思い出の一冊展」。
灘の古本屋さん「ワールドエンズ・ガーデン」の「海文堂思い出の一冊展」。
キッチンミノル撮影の写真展示。夏葉社写真集には収録されていない写真も。
お客さんの「海文堂で買った本」。あの人もこの人も参加。
「乱歩」論と「竹中郁」。
(平野)