◇ 日記 10月31日 木曜日
店の残務を片付けてから、J堂。
ほしい本はいっぱいあるけれど、ガマン。
娘が立ち読みで見つけて教えてくれた『法学教室』11月号の「巻頭言」を一読。
縁のない専門雑誌だけれど買わねばならぬ。内容後述。
あとは文庫・新書・選書を1冊ずつ。
忘れちゃいけない、妻に頼まれた雑誌2冊。
レジに行くたびに「ポイントカード~」と言われる。
J堂は『黒子のバスケ』脅迫問題での対応が評価されている。さすがJ堂で、それだけでも十分と思うけど。
そういう問題ではないのね。
そういう問題ではないのね。
筆者は神戸大学出身、神戸商大、神奈川大学を経て東京大学大学院教授、行政法。
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昔神戸で19年もの間暮らした。横浜に移って同じほどの時が流れたが、今でも神戸に行けば立ち寄りたい場所が幾つかある。その1つが元町三番街の海文堂書店。2階に配置された海事関係の書物がまさにこの店の売り物であるが、一般書の品揃えにも主張がある。1階左側には内外の小説が作者別にぎっしり並んでいるし、奥の方に入ると哲学や心理学などの一角があって、ここにはかなり重厚な本が集めてある。それほど広くもない店内を1周してくる間に、こんな本が出ていたのかという発見の悦びを味わうことができるのだ。
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ギャラリー、地元芸術家支援など元社長の活動も紹介。
8月12日にご来店、奥のカウンターで(多分)F店長に、「横浜から来た者ですが、閉店されるのは本当ですか」とお尋ねになり、店長がざっと事情を説明したよう。出版や不動産が残っても、「元町に海文堂がなければ何の意味もない」と書いてくださっている。
閉店の背景は、三宮集中、震災後の港の衰退と人の流れ減少など。しかし、「より根本的なのは、人々の書物との接し方に見られる変化」=ネット販売・電子書籍普及で書店に足を運ばない人が増えていること、と。
書店経営についても。
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人と書物の関係がこのように変化すると、品揃えに対するこだわりが書店経営のあり方として意味をもたなくなる。書店としては、売れ筋の本をたくさん置くことをもって営業の基本方針とせざるを得ないであろう。(略)その結果、おそらくはどの書店にも大体同じような本が並ぶことになってしまう。
そこで問題は、そうした均一化した書店文化をあなたが受け容れられるかどうかである。万物は流転し時代精神に適ったものが生き残るのだと割り切るか。私は、どこへ行っても個性的な書店にお目にかかれる社会が続くことを願う。多様性なるもの、一旦失われると回復は容易でない。
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交告先生、有斐閣『法学教室』編集部の皆様、地方の一書店のことを取り上げていただき、ありがとうございます。
(平野)
ゴローちゃんが徐々に体裁を整えてくれています。
今週末ブログを休みます。
ではでは。