◇ 日記 11月4日 月曜日
留守中(子どもたちに会いに行ってました)に『ひょうご部落解放』秋号(ひょうご部落解放・人権研究所、特集「日本国憲法を守る」)が届いていた。
巻末で「ヒントブックス」山田さんが「海文堂書店閉店に思うこと」を寄稿。
巨大書店に本を探しに行けば、“必ずある”。本屋は減っても、売り場面積や在庫冊数は増えているだろう。
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それと比べれば、海文堂はずっと小さい。なのに、私は気持ち的には大きく揺れた。一冊の本と出会うのに、大型書店やインターネットで求めるのとは、何かが違う。
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本が読者に届くまで多くの“人”の手が関わる。読者と接しているのは書店員で、そこから読者の求めるもののサインが出版社に届く。
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書店が減るということは、読者が何を求めているかがわからなくなる、と言ってよい。海文堂書店閉店の報に接して、直感的に私が危惧したのは、ここだ。(本は買うのは1冊、プレゼント用に余分に買うかもしれないが、普通は1冊、他の消費財とは違う)消費財としての本を求めるに、今の時代そんなに不便しない。大型書店があるし、ネット書店もある。しかし、出版社が売れる本しか作れなくなったとき、知りたいことを知るツールを失うのではないかと私は思う。
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[本の紹介]のページでは、『ほんまに』第14号(2011年11月発行、くとうてん)と復刊予定に触れてくれている。また、『海文堂書店の8月7日と8月17日』(夏葉社、品切れ)も。
こんなにも思ってくださっている筆者・編集部の方々にお礼申します。
『Meets Regional』12月号(京阪神エルマガジン社)の「meets book mania!」ページでは、販売部・中村さんによる記事「無防備さが生む知的興奮を海文堂閉店という事件に思い出せ。」。
【海】の「棚」に興奮していてくださっていたとのこと。
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日常で忘れた知的発情を促してくれる場所を守るには、街に出てその場所で本を買う以外にない。まだアナタの街に、人の手による棚がある間に。
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私たちはもう中村さんに「興奮」を催させることができない。残念。
(平野)