■ グレゴリ青山 『ブンブン堂のグレちゃん』
ちくま文庫 660円+税
ちくま文庫 660円+税
若き日(18~20歳)、夜間のデザイン学校に通いながら大阪の古本屋さんでアルバイト。
個性豊かな店主たち、お客さんとのやりとり。
「底なし酒」のような古本の世界。
本書で拾った名(迷)言の数々。
古書店街の人たち、独身者が多い。なんで? グレちゃんの疑問に店長が答える。
「古本はなあ人の縁を吸うもんやねんでえ~」
ジョーダンです。
天神橋の店主。グレちゃんが女性の古本好きが増えたと話すと、
「たとえ和本を探してるジイさんでも、しかめっ面して本探してる地味なオッサンでも……すべての古本好きの人の心の中には乙女が住んでるもんなんやッ」
グレちゃん、電車の定期券を忘れたと思って切符を買ってしまい、270円ソンと嘆く。店長、スケールが小さいと、自分の前日の体験を語る。通勤途中ゴミに捨ててある古本の束を発見。買い値で3000円くらい。拾うべきか、家まで遠い、古書市の時間が迫る、持って行くには重い、あきらめてその場を去った。帰り道、もちろん本は消えている。
「どや? 270円なんて屁えみたいなもんやろ」
グレちゃん、本の整理中。高価で脆そうな本をやぶったらどうしようと心配する。店長曰く、
「なんやグレちゃんそんなこと心配せんでいいって……(グレの肩をポンと叩く。やさしい人……)そんなこと、金ですむ話やんか、はっはっはっ~(肩に置いた手に力ぐぐっと)」
暑い夏の日、見覚えのある太った男性とすれ違う。誰だったか? 振り返ると「本」という大きな看板のあるビル、急に立ちくらみ。前に夢で見たような記憶。こういうのを何と言うのだったか? しばらくして見覚えのある太った男性が店のお客さんと気づく。そしてあのコトバを思い出した。
グレ「デブジャ!」
店長「そらデジャ・ヴュやろ」。
元本は2007年イースト・プレス刊。サイン本を持っているけど、文庫も買わねばならぬ。
◇ 日記 11月12日 火曜日
児童書T、始動。
SブックスM社長との作戦会議後、彼女は友人と食事に行った。私は豆腐とネギ買って帰宅。
(平野)