2013年11月8日金曜日

なごや古本屋


 

 鈴木創 編著 『なごや古本屋案内』 風媒社 1500円+税 
 なぜか尾張名古屋本をお江戸で買ってしまった。
 地元の古本屋さん約50軒を紹介。店の情報とともに店主のお話も。

 文学専門店主。
 ある人に、「本を一生懸命読みなさい。本からいろんなことを学んで、五十歳になった時に他人から相談を受けるような人になりなさい」と言われた。58歳の時、経営していた工場を解散して古本屋を始めた。
「残りの人生を本に捧げよう」
 
「おもちゃ箱をひっくり返したような古本屋」さん。
 マニア向けから、文献資料、一般書、絵本まで幅広い分野で価値があると思える本を集める。
 
 老舗の3代目。小6で「古本屋になる」と決意。
「看板や在庫もそうですけど、結局、お客さんを引き継ぐってことなんじゃないですかね」
 
 30年のベテラン。
ネット販売の広がりでお客との繋がりが希薄になり、大学の教養系学部減少で研究者・学生も減った。店舗存続が難しくなって、売りやすい本、利益優先にならざるを得ない。それでも、
「地味な良書を見過ごさずにきちんと掬い上げることが自分の役割」
 
 名古屋現役最長老店主。
「今はもう一冊初めから読む体力はないから、本を整理しながら拾い読みする程度だけどね。百円均一の本なんかでも、いいなぁと思うような言葉がちゃんと本のなかにはあるんだね。(百円均一のような売り方はお好きじゃない)やっぱり本が文句言ってるような気がしてしょうがないな。なんで俺がこんなところにって(笑)」
 
 編著者鈴木はシマウマ書房店主、8年目の若手。若い人たちに敷居が高くないよう、ベテランの本好きにも通ってもらえるように努力。音楽ライブ、トークショー、展示などイベントを企画。昨年は詩人のトーク内容を本にした。
 
 周辺都市のお店も。
 私は岐阜の女子の古本屋に行きたい。
 犬山の「五っ葉文庫」の店主は『痕跡本のすすめ』(太田出版)の著者。
 
 
 浅生ハルミン、諏訪哲史、堀江敏幸、中京圏ゆかりの人たちのエッセイ。
 
 ヨソサマのイベント
『百窓市』 
11.24(日) 10301730  浄福寺(神戸北野) 入場無料 雨天決行
 ワイン木箱の本の市。
 トンカ、おかんアート他、【海】と関係の深い人たちが数多く参加。「関係」どころか、FKがおる。

(平野)