■ 『本の雑誌』12月号 本の雑誌社 648円+税
特集 町から本屋が消えてゆく!?
海文堂書店の長い一日。 青山ゆみこ
かつてそこに本屋があった 杉江由次
町の本屋はむしられっぱなし 永江朗
北書店の三年半 佐藤雄一
くすみ書房の絶えざる挑戦! 黒田信一
本屋さんが好きだ!座談会 井上理津子・島田潤一郎・朴順梨
浜本茂、一日書店員になる!
読者アンケート 本屋さんのここが好き、ここが嫌い
「海文堂書店の長い一日。」
青山ゆみこさん(以下敬称略)が【海】の最後の一日を見事にまとめてくださった。
あの9月30日が私にはもう遠い一日になってしまっているのだけれど、青山の文章を読んで、久しぶりに落涙(ウソ、しょっちゅう泣いている)。
私も登場させてくれている。アウトロー本の話をしていて、
……
黒い軍手をはめた手で、最終日といっても変わりなく人文書の棚を整理していた【平野】が「あはあは」と笑った。
……
わてはアホか?
まあ、そうだが。
他のスタッフはちゃんと賢いことを書いてもらっているのに。
「アンタはアホなことしか言うてないし、してないし!」
青山の怒声が聞こえる。
他にしていたことはGFたちと握手・抱擁やったし。
そう言えば、かつてグレゴリ青山が【海】のルポをしてくれた時も、私は「アヘアヘ」だった。
W青山! あなたたちは正しい!!
お客さんにも取材。
……
海文堂で話を聞いていると、本屋は本を売るだけの場ではないと気づかされる。本を媒体に、人がつながり、広がる、海文堂という「場」が、なにかの生物のように増殖し、運動体として膨れあがっているようにも感じられた。
そして、最後の一人がレジを終えた。
……
青山に感謝。君は心のGFだから……。
『本の雑誌』の皆さんにも、お礼申し上げる。
◇ 日記 11月13日 水曜日
「ほんまに」の原稿のなかで、ゴローちゃんが悩んでいる文章がある。
Tさんの。
「店内に雨が降った。」で始まり、「昭和88年の夏のこと。」で終わるもの。
私は【海】のことだと思って読んだ。
(平野)