■ ヤマザキマリ とり・みき
『プリニウス』Ⅰ・Ⅱ 新潮社 各660円+税
雑誌「新潮45」連載中のコミック。古代ローマの博物学者プリニウス中心に描く歴史ドラマ。
(プリニウスは)古代ローマの精神を丸ごと体験するような存在(ヤマザキ)
プリニウスの記述をあまり真面目に受けとると、とんだ苦労を味わわされる羽目になることがあるから用心しなければならない。(略)しかし、それではプリニウスの記述の大半は信用ならぬ空想的なものばかりかというと、決してそうではなくて、ふと洩らされた片言隻句のうちに、なかなか意味ふかい民俗がとらえられていたりする。……澁澤龍彦『私のプリニウス』(1986年青土社、現在河出文庫)
マリ 面白い。だからイタリアの文学者や研究者に「『博物誌』がいかにすばらしいか」を語っても、「え、あんなのもう読まないよ」と半笑いで言われます。
(平野)