■ 鱒二柿
〈古書片岡〉で文庫2冊買って、おまけにもらった柿。
一個食べてもた。
井伏と河上徹太郎の対談(『文芸』昭和50年1月、『井伏鱒二対談集』新潮文庫所収)より。井伏76歳、河上72歳。
(井)しかし、みんないなくなっちゃったな。
(河)井伏とおれだけ残ったな。(井)ほんとだ。浅見(淵ふかし)君が去年かなんか言い出して、阿佐ヶ谷会員がもう十一人亡くなったから最後の会にしようと言って、遺族を呼んでやったの。その演説した浅見君が死んだ。
(河)もうだめだね、おれ達は。
(井)計算したら阿佐ヶ谷会員は十五人死んでいた。
(河)もう死のう、井伏。
(井)うん。死ぬか(笑)、しかしもうちょっと待て。
「阿佐ヶ谷会」 関東大震災後、東京中心部から中央線沿線田園地帯に移住者が増えた。無名の文学青年たちもやって来た。詳しくはこちらを。
http://ogikubo-bunshi.a.la9.jp/index.htm
(平野)