8.21 早朝、雨をものともせず家人は息子に会いに行く。ヂヂ留守番。
「朝日歌壇」より。
〈16の倍数になるページ数自分の本棚確かめにいく (奈良市)山添葵〉
■ 平野威馬雄 『新版 レミは生きている』 ちくま文庫
800円+税
1959年東都書房、77年講談社、79年講談社文庫、93年ちくま文庫。
平野威馬雄(1900~86年)、フランス文学者、詩人。父はフランス系アメリカ人、日米民間交流団体の初代会長を勤め、日系移民擁護に尽力した。母は日本人。威馬雄は母と日本で暮らし、父との生活は小1の終わり頃と中学5年の時、計3年ほど。母子は裕福な暮らしだが、母は「らしゃめん」、威馬雄は父の容姿を受け継ぎ「混血児」「あいのこ」、と差別を受けた。少年時代を振り返り、日本人としての自覚、差別に屈しない行動、フランス語独学、家族愛を語る。「レミ」は父がつけた愛称、フランス児童文学「家なき子」の主人公から。
1953年、威馬雄は占領軍兵士と日本人女性との間に生まれた「混血児」を救う会を立ち上げた。後の「レミの会」。児童・親からの相談や行政との交渉はじめ、自宅で世話をし、戸籍にも受け入れた。
現在、かつての「混血児」「あいのこ」は「ハーフ」「ミックス」と呼ばれ、芸能界・スポーツ界で活躍する人も多い。日本社会で憧れ・尊敬を得ている。昔と比べれば家庭的にも恵まれた人が多いだろう。ではこの国で差別・排除はなくなったか、というと疑問。有名人含め、在日の人たち、外国人労働者、移民に対する差別・偏見・ヘイトは根強い、まだまだ消えない、新たに生まれている。
私は小学5年生か6年生のとき、学校の図書室で威馬雄原作の絵本「レミ」シリーズを読んだ。同姓の著者に引かれたのだと思う。港町を舞台にした混血児たちの話。主人公レミは女の子。レミが生米を食べて嘔吐する場面を覚えている。でもね、神戸市立図書館・国会図書館の検索には出てこない。幻か?
(平野)
20歳くらいの頃、テレビで威馬雄を見た。薬物中毒や非行体験を語っていた。フランス文学やオバケの研究もしているおじいさんだった。しばらくして、娘さんが平野レミというシャンソン歌手だと知った。テレビで見かけるようになって、賑やかなキャラで料理もしていた。絵本の「レミ」はこの人のことか、と思ったが、イメージが合わない。彼女が和田誠の妻と知って驚いた。
中央図書館に威馬雄「レミ」本が2冊。『レミは生きている』(講談社、1977年)、『レミよ おもてに出ておいで』(第二書房、1962年、『レミは生きている』初版後の読者・児童からの手紙や電話、ラジオ番組での取材など)。
小学校の一学年上に黒人と白人の女子がいた。二人共神戸弁で、近所の子たちと遊んでいた。運動能力が飛び抜けていた。学年が違い、女の子の遊びには入れないから、名前を知らなかった。中学の運動部で活躍しているだろうと思っていたけれど、いなかった。