12.11 「朝日歌壇」より。
〈荷風読み独り飯食う夕暮の淋しきことは子らに語らず (姫路市)中塚裕久〉
年賀状準備。うさぎの絵を探すといろいろ本はあるけど、そのまま使う訳にはいかず、本棚に戻す。かわいい孫の写真も自粛。
12.13 訃報、俳優・佐藤蛾次郎、歌手・水木一郎。ご冥福を。
図書館、「西村貫一」調べ。年末から来年1月末まで休館になるので、行っておかないと。
■ 吉田篤弘 『天使も怪物も眠る夜』 中公文庫 840円+税
初出「小説BOC」(2016年~2018年)、単行本2019年中央公論新社より。8組(9人)の作家がルールを決めて古代から未来までつながる物語を共作(競作)する〈螺旋プロジェクト〉の一作。全部読むべきでしょうが、怠けヂヂは本書のみでご勘弁を。
近未来の東京は壁によって東西に分断され、慢性的な〈不眠の都〉。人びとは眠りを求めていた。睡眠ビジネスがトップ企業。「面白くない小説」がどんな睡眠薬より効き目があり、「面白い小説」は発禁、焚書の対象。睡眠コンサルタント・フタミシュウは極秘プロジェクト〈王子〉に参加。過去に作られた映画「眠り姫の寝台」とその脚本の存在を知り、資料室の谷口さんに相談。グリム童話「いばら姫」が蘇る。
「眠り姫」は存在するのか、彼女は目覚めるのか。
(平野)多くの登場人物がどうつながるのか、シュウの会社は「8ドリーム」、8人の王子で八王子、酒「ゴールデンスランバー」などなど、著者の仕掛けがいっぱい。