2022年12月3日土曜日

熱風至る

11.27 「朝日俳壇」より。

〈書より目を移せば鳥の渡りをり (玉野市)北村和枝〉

「朝日歌壇」

〈若き日に置き忘れしか老いていま高橋和巳『邪宗門』読む (八尾市)水野一也〉

 図書館、西村旅館調べ。貫一ゴルフ引退後のこと。

 大相撲、高安またも残念。サッカーも残念。

 ただいま読んでいる本、福紙あり。

 


11.28 「朝日新聞 鷲田清一折々のことば」はジュンク堂書店難波店店長・福島聡。

〈中立を要求することは、ときに普通の意見よりも攻撃的なものとなる。〉

 訃報。映画監督・崔洋一。ご冥福を。

 孫電話、姉がドレミを歌いながらキーボード練習、妹も合わせてドレミファソ。

12.1 師走。寒くなった。冬用下着に。

 「BIG ISSUE444号、特集は「片づけ楽しい時間を生む」。ヂヂは目が痛い。

 


12.2 サッカー、強豪2チームに大金星で決勝トーナメント進出。

12.3 訃報、俳優の渡辺徹、作家・佐川一政、ドウス昌代。ご冥福を。

 

 井上ひさし 『熱風至る 』 幻戯書房 各3200円+税



〈明治維新が美化されすぎているような気がしてならない。維新は果たしてそんなに美しかったのだろうか。わたしはその答えを新選組のなかに求めてみたい。姿勢をできるだけ低くして、歴史の陰画を陽画に変えてみようと思っている。〉

 1974年から75年「週刊文春」連載を第一部とし、77年から第二部再開予定だったが実現せず。幻の作品となっていた。

武蔵国多摩郡上石原のこんにゃく問屋の息子・久太郎が幕末の動乱に巻き込まれ、やがて影から歴史を動かしていく。久太郎は近藤勇の試衛館で剣術修行を志すが、事あるごとに近藤・土方歳三らに金をせびられる。道場の隣の武具屋を引き継ぎ、商いをはじめるが、土方に騙される。清河八郎・芹沢鴨の悪事に加担させられ、命も危うくする。彫師の弟子になるが、土佐藩主といざこざ。逃げて、影の組織「鏡党」のメンバーに。ここで忍びの修行をし、性格も変貌。武具屋の娘の助力もあり。上からの指令で清河を利用して、心ならずも近藤を盛り立てていく。上とは被差別部落の指導者。

 井上は、新選組=史実に久太郎=影の力をからめ物語を進めていく。決して美しくない「新選組物語」。池田屋事件の直前まで。

(平野)