■ 『続 次の本へ』 苦楽堂 編・発行 1500円+税
《自分の頭で考えるために、自分で本を探してみる。その手がかりとして……》
本へのつながり方、手がかりを案内する『次の本へ』2冊目、51人が寄稿。苦楽堂はこのシリーズを15年継続すると宣言している。
1冊目の出合いはあるでしょう。「その次」はどう探すのか、見つけるのか。まわりの人に勧められ(家に転がっていて、という場合も)、著者・作品つながり、本屋で目に止まって、1冊目で興味を持って広がって、マンガやドラマがきっかけ、以前素通りしたがその意味に気づいて(「時間差攻撃」)ということも(巻末に人名・書籍などの索引ほか、「『次の本』に出合うきっかけ別インデックス」がある)。
『理科系の作文技術』から『血涙十番勝負』、『星の王子さま』から『般若心経講義』、『罪と罰』から『新しい人よ眼覚めよ』、『カシアス・クレイ』から『マルカムX自伝』、『腹立半分日記』から『摘録断腸亭日乗』、『本格小説』から『嵐が丘』……。
寄稿者たちは、本がどのようにつながったのかに加えて、過去に読んだ本が現在の自分にどのようにつながっているかということも語ってくれている。それぞれが読みごたえのあるエッセイ。
編集者は労を惜しまず、書誌情報にも手間をかけている。初版、雑誌なら初出、翻訳ものなら初邦訳の年、古い本なら現在最も入手しやすいもの(文庫が出ていればそれ)を記載。内容要約もさすが的確簡潔。しかし、ときどき編集者の脳内が突如爆発して、他の書誌情報とは異質になっている本が何冊かあり。その本を紹介した寄稿者にも爆発させてしまった責任があるのだけれど。どういうのかは読んで探してみてください。
装幀 原拓郎 装画 ヨシタケシンスケ
(平野)