■ 能登秀夫 『明治の青年ここにあり』 木犀書房 1970(昭和45)年6月刊
トンカ書店「詩人の本棚」展にて。署名入り。
能登秀夫(1907~1981)、本名増田寛(ますだ かん)、神戸市生まれ。詩集『街の性格』『都会の眼』『街の表情』など。鉄道省勤務、プロレタリア文学運動の「新興芸術連盟」に参加。1929(昭和4)年『街の性格』が発禁処分。民衆詩人・福田正夫に師事。戦後は国鉄労組で活動。
「明治の青年ここにあり」
明治の青年颯爽と歩るいています
つもりだが
上半身は傾いて
下半身はひょろついて
有効適切の余生が
いつまでつづくことやら
過去は重たかっただけ
たしかに
そのしるしに
身体がちぢかんで
すすぼけて。 (後略)
(平野)