2020年4月26日日曜日

花森書林通信


4.24 元町商店街事務局の担当さんはコロナ対策で隔日の出勤に。私が持参できる日とテレコになっている。今回の原稿はメール送信。
 読書は、今野真二『振仮名の歴史』(岩波現代文庫)。初版は2009年集英社新書。


 振仮名は日本語独特の文字づかい。漢字の読みだけではなく、意味を記す場合もある。
 私は最近の日本語の歌詞を聴き取れないことが多いのだけれど、歌詞カードには漢字、平仮名、片仮名、外国語(アルファベット)が使われているそう。ヂヂイにもその表現法は理解できる。振仮名にもすべての文字が使われていて、アルファベット表記の単語に片仮名で振仮名をつける。それも理解できる。ところが、片仮名外国語単語にアルファベットで振仮名につけたり、日本語「あるがまま」に英語「let it be」と振仮名、という表現・発想は思いもつかなかった。日本語の表記はこれが可能、というより決まりがない。学校の国語の試験で不正解だが、書き手の自由な表現では「アイズ」「サイン」「sign」と振仮名を書いて、そう読ませても構わない。
 日本人は中国の漢字=表意文字を使い、そこから仮名=表音文字を生み出して、両方を使ってきた。漢語を説明するために振仮名を考えついた。振仮名を多様に使い、機能を拡大してきた。
 今野は、日本人は仮名を発明しても漢字を捨てることができなかった、捨てたくなかった、「漢字で書きたい!」という欲求が強く根付いていた、と考える。日本語表現、将来どんな機能が出てくるだろう。

4.25 花森書林から「花森書林通信 臨時創刊号」が届く。店舗休業中、出店していた神戸元町みなと古書店閉館、イベントも中止に。でもね、店主はへこたれない。A3用紙目いっぱいに神戸本を紹介。「ほんまに」や「みなと元町タウンニュース」のことまで。お嬢ちゃんの折り紙が入っているのは、私だけ! と思いたい。皆、もらってるやろなあ。
同店Webをご覧下さい。永田收写真展「誰もいない展覧会~猫の眼」開催中。


 

(平野)