2020年4月8日水曜日

緊急事態


4.3 職場で、緊急事態宣言が出された場合の対応指示あり。たいそうなことではなくて、ゴミ収集日の作業などこまごまを管理組合役員さんと相談。私たち管理員も休まなければならないかもしれず、会社の方針は未定。

4.4 食料品の買い物外出。本屋さんで注文品受け取り。

4.5 外出は近所のスーパー、豆腐と牛乳。あとは家で過ごす。

 本は、谷田博幸『国家はいかに「楠木正成」を作ったのか――非常時日本の楠公崇拝』(河出書房新社、2019年)。本書も新刊刊行時見落とし。著者の専門は美術史。国・軍人・歴史学者・文学者・教育者が中世の「忠臣」を「聖人・英雄・最高最大の人物」にまつりあげ、戦争推進のため利用。戦後は軍国主義のシンボルとして断罪された。今またヒーローにしようとする動きがある。私にとっては近所の神社「楠公さん」。歴史小説を読む、郷土史をひもとく、ただそれだけである。



4.6 緊急事態宣言が出ても、当面私ら管理員は通常通り勤務、と決まった。担当マンションに孫より3ヵ月ほど小さい子がいて、なかよし。今日初めて「きゃんにいんしゃん!」と呼んでくれる。

 桂米朝『上方落語ノート 第一集』(岩波現代文庫)、全4冊予定。米朝は落語研究でも第一人者だった。明治・大正の芸を先輩芸人からの貴重な聞き書き。昔の聴衆は能、歌舞伎、浄瑠璃などのあらすじやパロディを理解していた。現代に古典をどう演じるか、米朝も悩んだ。多彩でユニークな芸人たちの活躍、ビッグネーム襲名ゴタゴタ、名人引退とその寂しい死など、おもろうてかなしい芸人話の数々。後輩たちに残す、米朝50代初めの著書。



4.7 自分なりに我慢していたけれど、ついに辛抱たまらず行ってしまった、散髪。また家族から顰蹙を買う。
 緊急事態宣言出て、図書館ダメ、本屋さんもかなり閉店。古本屋さんにすがる。

(平野)