■ 古書目録 ロードス通信 平成26年12月 第38号 最終刊
ロードス書房主人・大安榮晃(おおやすしげみつ)さん、9月11日逝去。ご本人が準備していた目録、家族と仲間によって完成。
ご挨拶 大安立子
『ロードス通信』と『本棚』のことなど 街の草 加納成治古書と漱石と大安榮晃さん 「sala」編集人 吉田ふみゑ
父のこと 大安羽生子
夫人の「ご挨拶」から。
ロードス書房開業は昭和56年1月、故郷の篠山口駅前。61年12月、「サンパル古書の街」に出店し、神戸移住。「ロードス通信」は平成4年12月に第1号を刊行。
「サンパル古書の街」の変遷、震災、公社との裁判、次々と続く中、古文書にも熱中し「阪東直三郎日記」を刊行、家族、親戚、他人の世話にも奔走しました。「自衛官は命を掛けているって言うのを聞くと腹立つわ。僕らも命掛けや」――傍から見ると、報われず、儲からず、店には居らず、止めてと言いたくなりましたが、個人店主の気概か、「さあ!(ここがロードス島だ)」と、止むに止まれぬ熱に動かされ、止まるどころか加速しているようにさえ思えました。(略)
亡くなって一ヶ月が過ぎ、故郷の荷物を開いてみると、20代前半に作った読書計画の痕跡――びっしり細かい字で埋め尽くされた手帳やノートが何冊も見つかりました。生活の中で読書生活は変更せざるを得なかったでしょうが、いつも目指すところに一途でした。
9月2日の業者市に出席、9日の市にも行こうとしておりました。もっと本を買わせてやりたかった、美味しいものを食べさせてあげたかった、将棋も指させたかった、一生懸命話す姿を見ていたかった……。いつも目録を出すとき、「ものすごく売れる気がする」と言って、うれしそうにピョンピョン跳ねていた姿が目に浮かびます。ほんとに可愛い男でした。(略)
(平野)
個人的には子どもたちが同じ学校でした。お世話になりました。ありがとう。