2014年12月4日木曜日

露天商人の歌


 林喜芳 『詩集 露天商人の歌』 1958年(昭和3310月 B6 本文49ページ

目次  あるお客さんに 足を見てくらす毎日 照る日もあれば、くもる日もある さばくをあるく日々 いやな季節 なんのこともない一日 詩にならぬ商売 くさる日の詩 古本を売つてみる たいくつな日 はじめて夜店にでる 露天商人になれるか

『詩集 続露天商人の歌』 19599月 B6 本文32ページ

目次  足うらの如き顔 やれやれ人生 もの言えば唇さむい 雨にやられる 地べたの生活 この風景 坐つてゐる考え 大人のオモチャ 阪急電車で うすぐらい太陽の下で 或る日、休んで

いずれも自費出版100部発行

 
「露天商人になれるか」

裸 で
むき出しのボクが
商売人になれるか
なれないか
皿に
のつて
陳列される
街の片隅

 
陽にてらされて あつい
風にさらされて さむい
何か言はうとして 唇がいがむ
皿の上の
ボク
 
じーつとしてゐる

書影は『神戸の詩人たち』(神戸新聞出版センター、1984年)より。
大倉山中央図書館の郷土資料コーナーにあり。館内閲覧のみ。
林については本ブログ[2014.2.10]で紹介。
(平野)