■ 朝日新聞神戸市局編 『兵庫の素顔』 海文堂書店発行 1977年(昭和52)9月刊(¥1500の表示) A5判
77年1月から6月にかけて、朝日新聞「第二兵庫版」「第二阪神版」に連載した「兵庫の顔」を改題して出版。
……港、山村、島、川、平野、山、海を、シリーズで追った。自然ではなく、そこに土着するひとびとの生活の諸相である。
人生は環境と切れては営まれ得ない。人の営みには風土の顔が鮮明であった。何十年、何百年と受けつがれ、そこに住むひとびとが愛おしんで育ててきた生活の型が、生まなかに変るものではないことを、このシリーズの仕事で改めて知らされた思いである。……「あとがき」より
もくじ
神戸港 はしけ炎上 新幹船 独航船主 はしけの不安 岸壁の武士 最後の沖売り 通船の客 視界不良 海上都市 ……雪の但馬 温泉町 とんど 夏ダイコン むらの企業家 途切れた道路 地縁選挙 杜氏組合 最小集落 牛と若者 ……
淡路島 ツバキたばこ 厄の宴 農民車 かけ橋音頭 防風最前線 土帰月来 一人芝居 海峡国道 若衆宿 ……
武庫川 ヤマメの里 オアシス ある自治 名塩紙 元漁師 民営水道 砕石 護岸のかげに ……
播州平野 炭坑節 城の番地 浜の祭り 山田錦 白鷺湖 柳田精神 七曲がり峠 ……
六甲山 外人墓地 人間灯台 軍艦ホテル 望郷 旗振り山 初代所長 風浴 ……
日本海 新鋭船 青い世界 浜の対立 分家の奨励 魚見場 村長さん 海の神社 栽培漁業 ……
兵庫は広い地域で、異なる気候・風土・歴史がある。土地土地の人間の暮らしをルポ。
「神戸港」では、近代化する港の姿と、その一方、消えていくはしけ、肉体労働者、外国人労働者たちにもスポットをあてる。「岸壁の武士」とは? 港湾労働者にはいろいろな職種がある。ネコ車(一輪車)で荷物を運ぶ「ネコひき」。陸上げした荷物を手カギでネコ車に乗せる「鉤(かぎ)」。ネコ車が運んできた荷物をかついで倉庫に運び込む「肩」。賃金が違う。岸壁や倉庫など陸の仕事が「沿岸」で、船での仕事が「船内」。「肩」は1回に60~100キロの荷をかつぐ。ある日雇い労働者Aさん(当時50歳)に取材している。既に仕事は減り、月に5日あるかどうか。
……一日に百キロの袋を千個、百トンを運んだこともあった。港で「肩は武士」といわれ、一目置かれた。Aさんはいまでも日に四十トンはかつぐ。(コンテナ化で日雇い労働者の新規登録受付はなくなっていた)コンテナ基地には日雇い労働者の入り込む余地はほとんどない。それ以外の岸壁でもネコ車は姿を消し、ベルトコンベヤーがとってかわった。とりわけ、これまで特殊技能者として幅をきかせてきた肩の仕事は決定的に少なくなった。……
執筆者の中にニュース番組のコメンテーターをしていた加藤千洋の名を発見。
(平野)
ギャラリー島田蔵書から借覧。
「ほんまにWEB」の月1連載、すべて更新。「お道具箱」はカバー折り。「しろやぎ・くろやぎ往復書簡」は山ガール・くろやぎの「精進」。「奥のおじさん」はいつもどりのふらふらブラブラ。http://www.honmani.net/
元町商店街HPも更新。「【海】という名の本屋が消えた」は村上華岳。
http://www.kobe-motomachi.or.jp/
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