■ 海文堂生誕まつり「99+1」
記念展 5月31日(土)~6月11日(水)
ギャラリー島田 1階deux
S夫妻は皆勤賞継続。
夕方雨の中、J堂GFお二人が来てくれると、続いておっさん共が大量に。K新聞出版の皆さん方。
N教授、百均追加ご持参。
編集 真治彩 表紙コラージュ 林哲夫
検印紙図案 中西真矢 レイアウト 西田優子
(1)「ぽかん 04」と表記のある冊子
縄文の骨 昭和の泡 二〇一三年一三句 小沢信男
発掘 山田稔
編集の生理――わが出版記 涸沢純平
本を、捨てる 木村浩之
多喜さん漫筆(四)――尾籠な談義 外村彰
木山捷平様 田中美穂
電話 岩阪恵子
父のチェーホフ(一)――1928年、湯浅芳子 扉野良人
豪快なひと――中川六平さんのこと 鹿角優邦
千代田区猿楽町1-2-4(其の二) 内堀弘
(コラム) シネマのある風景 中野もえぎ 秋葉直哉
別冊「こないだ」
(2)「ぼくの100」 福田和美
(3)「のんしゃらん通信 vol.2」
高橋実果子、里舘勇治、郷田貴子、濱田多聞、秋葉直哉、渡辺尚子。
イラスト 西松実千代
大学を出て出版社勤め。言いつけられる仕事は返品処理。
ありていに言って、本を捨てることが仕事の中心になっていた。そうした日常のなかで、「本は大切に扱わねばならない」という気持ちに荒砥がかけられたのは、仕方がないんじゃないかと弁解させてほしい。……
後ろめたさのせいか、子どもさんには、「本をというものはだね、たいせつにだね~」と、諭してしまう。
返品作業から編集の仕事。チェコの作家の本『あまりにも騒がしい孤独』を担当。主人公は故紙回収業者。
……恐ろしいほどに本が捨てられ、汚され、潰されまくる。さらにつぶされるのが古本だけではないのが当時のチェコスロヴァキア(に限らず、まだソ連があった時代の東欧諸国では、どこでも似た状況だったようだけれど)のすごいところで、お上の意向に逆らう反体制的書物とみなされたら、できあがったばかりの新刊本でも即座に全部数が廃棄されるという徹底ぶり。主人公ハニチャは、次々と息絶えていく本たちの姿を前にして、気持ちをおちつかせるために大量のビールをがぶ飲みせざるをえない……。……
その本の紹介文を求められた。
何であれ本というものを汚したり破ったり、あるいは捨てたりすることにどこか罪悪感めいた思いを抱く人なら、ぜひこの小説を読んでください。もしあなたが、潰される本(や潰されそうなひと)の声を、ほんのちょっとでも聞きとれるとしたら、この小説が発する声もまた、必ずあなたに届くはずだ。
自戒を込めて。
(平野)