■ 海文堂生誕まつり「99+1」
記念展 5月31日(土)~6月11日(水)
ギャラリー島田 1階deux
6.3(火) 今日もオッサン二人。バイトMちゃん来てくれました。夕方から詩人さん、忙しいのに手伝い。いろんなお話が聞けて面白い。自転車でポーアイから紳士が二日連続でお見え。コーヒーも気に入ってくださる。
お客さんとワーワー言っています。皆さんに、昔の写真を見せて、「これは誰?」とやっています。ネタは“彼女”です。知りたい人はご来場ください。
独立希望の現役書店員さん、ちょうど開業したばかりの「うみねこ堂書林」さんとお話。
詩人さんはSFマニアの蔵書処分を「うみねこ」に打診。人の輪が広がっていきます。
大きな声では言えないけれど、小さな声では聞こえない。絵の売上げ好調。林哲夫さんのは3点完売しましたで~。パリ滞在中の林さんに聞こえてますかな?
新聞報道が相次いでいます。多くの方が来場、お買い上げ、カンパまでしてくださり、私たちとお話して喜んでいただき、そのうえ涙まで。
私の認識を改めなければならないのか? どうしてそんなに愛されていたのか、実感がまだないのだけれど。不感症?
帰り道、会場に来ようとしていたKさんに出会う(閉店の時ドラを叩いてくれていた人)。火曜日は早く終わることを詫びる。申し訳ないです。
チラシ(上記写真)がなくなりそうです、と言うより明日早くなくなります。来場者全員には当たりません。ご了承くださいませ。
金子光晴に「山之口貘君に」という詩がある。
■ 『金子光晴詩集 現代詩文庫』 思潮社 1975年9月刊 出版社在庫あり
山之口貘君に 詩集『人間の悲劇』(創元社 1952年12月刊)より
二人がのんだコーヒー茶碗が
小さな卓のうへにのせきれない。
友と、僕とは
その卓にむかひあふ。
友も、僕も、しゃべらない。
人生について、詩について、
もうさんざん話したあとだ。
しゃべることのつきせぬたのしさ。
夕だらうと夜更けだらうと
僕らは、一向かまはない。友は壁の絵ビラをながめ
僕は旅のおもひにふける。
人が幸福とよべる時間は
こんなかんばしい空虚のことだ。
コーヒーが肌から、シャツに
黄ろくしみでるといふ友は
『もう一杯づつ
熱いのをください』と
こつちをみてゐる娘さんに
二本の指を立ててみせた。
年譜。1928年、光晴は妻・三千代と東南アジア・ヨーロッパ放浪の旅に出て(子どもは妻の実家に預けて)、32年帰国。実家にいた妻子と対面(妻は先に帰っていた)して、単身上京。新宿の旅館・竹田屋(つれこみ宿)に居を定める。33年6月、貘と出会う。
……佐藤惣之助に誘われて、南千住の方の泡盛屋の二階で、泡盛を味わう会というのへ出かけていったことがある。その席上で、琉球の踊りをやった若い詩人がいた。それが山之口貘だった。どういうものか、それから山之口と交遊するようになって、山之口も、時々、竹田屋へあらわれた。……
『詩人 金子光晴自伝』(講談社文芸文庫)
お江戸特派員より、神保町の名喫茶店「ラドリオ」の展示。許可もらっています。