■ 春木一夫 『神戸歴史散策』 保育者カラーブックス 1981年(昭和56)2月刊
著者は、ハイカラ・異国情緒だけで神戸をきめつけてしまわれるのは「大そう迷惑」と言う。
確かに神戸中心部は開港以来の土地だから、歴史も伝統もない。
……住民も各地からの集合体にしか過ぎない。その代り身軽であるため、新しいものにすぐ飛びつき、どこの出身であろうと、外国人であろうと別け隔てなく、それこそ一視同仁である。だから、住むのにこれほど気楽な土地は、ほかにはないと思われるほどである。……
しかし、歴史を語るとなると、兵庫や長田、須磨、それに阪神間、さらに兵庫県全体を問題にしなければ成り立たない。兵庫県は、北は日本海、南は瀬戸内海に面し、旧七国(通常、摂津、丹波、但馬、播磨、淡路の五国と言うが、実は備前と美作の一部を含んでいる)からなる文化複合体で、そこに神戸が「新しい海外の匂いで染め変えている」。
巻末に読み物、「源平大合戦」「神戸・初め物語」。
(平野)
10.31(続き)
古書会館から〈文庫川村〉。文庫と新書専門店。ここで本書発見。
表紙、東灘の酒蔵を歩く女性2人、当時コーべブックスのバイトさんだった。元町商店街HP更新。「【海】という名の本屋が消えた」(12)は花隈の女性興行師。