■ 『野間 宏詩集』 五月書房 1975年(昭和50)3月刊 函入り・革装 サイン
野間宏(1915~1991)神戸市長田生まれ、西宮育ち。戦後文学を代表する作家のひとり。
小説作品から反戦や社会運動の詩が多いのかと思っていたが、意外というか、恋愛詩が目立つ。
「魂の天体」
恋人よ、夕暮れの野に花に代って花よりも柔らかく胸は開く、
君を思いてわが身体の真上に憩いあり、そこに巨なる愛の瞬きの聚雨渡る如く
幾千の星仰ぎ見てその涼しい生命の響さが額掠めて落ち来るとも。
……
「紫陽花」
恋人よ! その身新しい身なり、
病癒えて青い野に立つ美しい身体の弾み、その辺り歓びは草々の上にしばし溜り、
広い地には柔らかい色がはや降りている、
恋人よ! 夕の野に光り収める一群の紫陽花の花。
……
11.2 神保町のワゴンで。たぶん「田村書店」だったと思う。31日にコーべブックスの本が1冊あって、迷ってやめて、この日やっぱりなかった。
■ 苦楽堂編・発行 『次の本へ』 1800円+税
神戸で出版社を興した仙台出身の編集者・石井さん。
http://kurakudo.co.jp/11.8(土)灘区ワールドエンズ・ガーデンで出版記念トーク会。
出演 石橋毅史(『「本屋」は死なない』) 北沢夏音(『Get back、SUB!』)
次に読む本を見つけられない若い人たちに向けて。
読書人たちはこうして「次の本」を見つけた!
本書の内容につきましては改めて紹介。
カバー、本体、それに装画のイラストは青山大介の「海文堂書店絵図」(くとうてん発行)から。ワールドエンズ・ガーデンでは84人の執筆者が取り上げた本を展示・販売中。