■ 河盛好蔵 『パリの憂愁 ボードレールとその時代』 河出書房新社 1978年(昭和53)10月初版(手元にあるのは79年10月4版)
目次
1 パリの詩人ボードレール 他2 父フランソワと母カロリーヌの出会い 他
3 母の再婚 義父オーピック将軍 他
……
8 ジャンヌ・デュヴァルの身許 他
9 ダンディズムの時代 浪費生活 莫大な借金 他
10 準禁治産者の宣告 自殺未遂 ボードレールとアシ
ッシュ
……
13 二月革命とボードレールの言動 他
……
17 ルイ=ナポレオンのクーデター 他
18 エドガー・アラン・ポオに心酔 他
……
21 『悪の華』が生れるまで 他
22 オーピック将軍の死 『悪の華』の反響と訴訟事件
……
32 一八六一年のボードレール 他
……
37 借金 ブリュッセル行き 発作 詩人の死
付録 あとがき 人名索引 参考地図
装幀 渋川育由
全480ページ超
河盛好蔵(1902~2000)堺市生まれ、フランス文学者、東京教育大学、共立女子大学で教授。本書で大佛次郎賞受賞。『フランス文壇史』(文藝春秋新社)『藤村のパリ』(新潮社)で2度読売文学賞。95歳の時、京都大学から博士号。
本書について。
ボードレールの生涯をパリを舞台にしてできるだけこまかく辿るのが当初の目的であったが、それが容易でない仕事であることは、書いているうちに次第に分ってきた。(略、伝記としては日本で最も詳しいと思うが、当初から作品について触れる意図はなかった)
私の一生の仕事にしているフランス文壇史の一部として書かれたものであって、私は本書を書きながら、絶えず第二帝政時代の社会とフランスの文壇を頭に浮かべていた。それはまことに興味津々たる時代であって、この背景の前では「悪の華」の詩人といえどもその点景人物の一人にすぎなくなってくる。……
“ボードレールと19世紀のパリ”の物語。
『悪の華』初版は1857年6月ド・ブロワーズ書店から発行。普及版(3フラン)、特製版(6フラン)、計1300部印刷。寄贈用として特別版20部。
ボードレールは六月十三日付のド・ブロワーズ宛の手紙で『悪の華』を寄贈すべき人たちのリストをあげている。フランス人は二十三名、そのなかには「最も綺麗な本を第一に」という注意のついたゴーチエを初めとしてサント・ブーヴ、バルベー・ドールヴィリー、ルコント・ド・リールらの作家のほか、文部大臣や官房長なども含まれている。そしてこれらの人に贈る本には自分の手で献辞を書いたほうがよかろう、これらの贈りものの効用はあなたに分るはず、と書いている。
ボードレールは単にフランス人だけではなく、アメリカのロングフェロー、イギリスのテニソン、ブラウニング、ド・クインシー、またガーンジー島に配所の身を託っているユゴーにも贈るように指示している。(略)ボードレールの寄贈本の相当数は、その所在がはっきりしており、またそれについての研究論文も発表されているが、一九六八年のパリのプチ・パレにおける「ボードレール展覧会」には彼の献詞つきの『悪の華』が九部展観された。そのなかの父アレクサンドル・デュマに贈られた本の扉には、「アレクサンドル・デュマに、アントニーの不滅の作者に、嘆称と献身のあかしに、シャルル・ボードレール」と五行の献詞がしるされている。
(平野)
店主にお聞きしたところ、意外というか、J堂Fさんの哲学本が驚異の売れ行きだったとか。当初、ひとり50冊出品が、追加補充の盛況。
私は庄野潤三のかわいい本を1冊いただいて、ギャラリーめぐりのゴローちゃんと別れて、TさんとJR快速電車。
5.11(日)、大阪女子の古本屋「本は人生のおやつです!!」の“書店員さんで一箱古本市”最終日に。文字通り現役書店員が出品する古本市。皆さん、愛読書を格安で放出してはりました。
ゴローちゃん、神戸女子の古本屋Tさんと現地集合。店主にお聞きしたところ、意外というか、J堂Fさんの哲学本が驚異の売れ行きだったとか。当初、ひとり50冊出品が、追加補充の盛況。
私は庄野潤三のかわいい本を1冊いただいて、ギャラリーめぐりのゴローちゃんと別れて、TさんとJR快速電車。
5.12(月)、うみねこ堂書林。創元文庫、音楽文庫(音楽の友社)が並んでました。しかもお安い価格で出してはります。どちらも昭和20年代の刊行。私は高田保『第三ブラリひようたん』を。
店主によると、「ほんまに日記」を見て来店の方が何名か。これからも「日記見た」とおっしゃってください。特典はありませんが、【海】のF店長や児童書Tのおもしろ話が聞けるかと。