ちんき堂で買った本。
■ 稲垣足穂 『おくれわらび』 中央公論社 1974年(昭和49)4月刊
目次
私の祖父とシャルル・パテェ
鼻高天狗はニセ天狗生活に夢を持っていない人々のための童話
おくれわらび
単3乾電池
装幀・挿画 まりの・るうにい
「おくれわらび」
飛行家・星野米三のこと。大正初めにアメリカの飛行学校を卒業、帰国して複葉機を製作、試験飛行。
足穂が宇治五ケ庄を女性客と歩きながら、アザミやわらびを摘んだ。女性が手折ったアザミの形状からエルンストの絵「飛行機取り草の庭」を連想。この飛行家のことを思い出す。1910年、飛行家志望青年はフランス人の飛行を見つめていた。青年が生きていたら70歳を超えるし、自分はあの頃まだ10歳。
……いずれにしても、これは早蕨であり、同時に「おくれわらび」であることは確かです。……
足穂も飛行機少年、星野の手記を愛読した。
本書では「海」に昭和48年5月発表とあるが、初出は同人雑誌「作家」(昭和35年6月)。題は「飛行機取り草の庭」とするつもりだった。
(平野)
5.23(金) 神戸新聞H記者「海文堂生誕まつり 99+1」取材、くとうてんにて。
終了後、Hさんと新出版社準備中Iさんを急襲。岡本に住んで乙仲通のレトロビルに事務所開設というおしゃれな編集者が作る本や如何に! そういう見た目だけの偏見はイカン! 遺憾! 第一弾は秋になる予定。ご期待を。
5.24(土) 読売新聞に記事掲載されました。