■ 海文堂生誕まつり「99+1」
記念展 5月31日(土)~6月11日(水)12:00~19:00
(火曜日は18:00、最終日は16:00まで)
ギャラリー島田 1階deux
○海文堂ギャラリー&ギャラリー島田ゆかりの芸術家作品展(展示と販売)。
○海文堂書店の歩みを写真と資料で紹介。
○海文堂書店関連の出版物販売。
○100周年記念ポストカード作成・販売。
○土日限定「古本市」。
正津は1945年福井県生まれ、詩人。
挽歌を詠む。すなわち死者を悼むということは、いわば死は生を写す鏡なれば、みずからの人生を顧みさせずにおかない。死者の魂は、いささか神懸かった表現をすれば、生者に憑く。……
大伴家持の妻を思う歌、山上憶良が旅の途中で死んだ若者を悼む歌を紹介。先人たちは、つねに真摯に死者を偲び、死者を悼みつづけてきた。
……あえていうならば、それこそ生き残った者が担うべき大きな務めの一つとして、つたえてきたのだ。
本書は明治から100年にかぎって、悼詞を選ぶ。おおよその方針。
○ 受ける者と捧げる者とが、死別してもなお、「賛仰なり、訣別の心や、志の継承や、反撥なり、つよく両者間を繋いで」あること。○ 悼詞そのものが、「死者の生涯を語っていよう、一篇のモニュメント」たらんとあること。
○ 門下の誰それ・同業者の追悼のたぐいは除外。
正津曰く、人選は片寄っている、くせのあるものが並ぶ、「はみ出し者」たちめいたメンバーばかり。
大石誠之助へ 与謝野鉄幹 大杉栄へ 中浜哲 永山則夫へ 大道寺将司 辻潤へ 辻まこと 谷川徹三へ 谷川俊太郎 山之口貘へ 金子光晴 牧野信一へ 川崎長太郎 鮎川信夫へ 吉本隆明 ……
著者が詩人だし、詩人から詩人に贈った詞を。
《IL 三》 金子光晴
『キリストだとばかりおもつてゐたら、おや、君は、死んでるはずの
貘さんぢやないか。どうして、また」
汗でべつとりとくつついたヅボンが、朝涼になつて
ひとりでにかわいて、それがすねからはがれるまで、夜通しあるきつづける彼と、僕は、つれ立つてあるいてゐた。
…………
『僕がキリストなんですつて? それは、どういふことでせうか。
僕は、生きかへつてでも来たやうなやうすで、それがなんだか羞かしいんです
けど、
やつぱり、いけなかつたのですか』
貘さんは、申し訳なささうな、てれくささうな、
寂しい笑顔をしてみせる。
いけないどころか、こんなたのしいことはないのだ。
(平野)
著者は皆を悼んでいる。
『ほんまに』新規取り扱い
大阪“女子の古本屋”「本は人生のおやつです!!」さんが取り扱ってくださっています。バックナンバーもあり。ありがとうございます。
TEL 06-6341-5335
「神戸新聞」5.30朝刊 海文堂イベント紹介いただきました。またもスケベ面なのでカット。