■ 倉掛喜八郎 『えほん 神戸の港と船』 のじぎく文庫 1981年(昭和56)2月刊
倉掛は姫路出身のイラストレーター。2008年の時点では神戸市長田区で飲食店も経営。【海】のPR誌『読書アラカルテ』『Blue Anchor』の表紙を描いてくれていた(1981~1982)。本書でも【海】の紹介あり。
目次
わが港 神戸 杉浦昭典(神戸商船大学)
港めぐり “港の目”和田岬の信号所 黙々と働く職人・工員さんの仕事場 ポートタワーと港の博物館 港の官庁街とランチの溜り 港の最前線――コンテナターミナル ……
出船入船 世界の海かける新幹船 船を積む船――重量物運搬船 団体で遊ぶクルーズ客船 国を支える若者育てる練習船 船の豆知識 ……
港のしくみ 水際防止――神戸検疫所 神戸税関 陸と沖の船を結ぶ通船 「神戸の水」を運ぶ給水船 小型船の航行を助ける清掃船 海の安全を守る海上保安庁 ……
港まち点描 風物詩 「ひとつ釜」で育ったマドロス 姉妹港 港のあゆみ ……
あとがき
港のあちこちで船の姿を描きながら、風景・風物、働く人たちにもスポットをあてる。燈台、造船所、レトロビル、青果物輸入の責任者、運河のいかだ師、遊覧船の船長など。
描く船は、華やかな外国客船や帆船からコンテナ船、長距離フェリー、ハシケ、レジャーボート、気象観測船とさまざま。港と船を愛する人たちを港と船を愛する人が描いた。
……港は世界の動きや戦争、日本と世界の経済関係に敏感に反応する。イラン・イラク戦争は今も続いていて、ペルシャ湾航路船に積み込まれていた輸出プラント類を急きょ神戸港に降ろし、小麦や鉱石の積み取りに変更した貨物船が出港したのは三ヵ月ほど前のことである。港に出入りする船の動きを見ていると神戸が世界と直結していることがよくわかる。……
(平野)間違って2日分アップしてしまったので、9日(土)は休み。