◇ 【海】史(10)―2
■ 『月刊・神戸 読書アラカルテ』(2)
月刊になってほぼレギュラー化するのは、島田誠の「エッセイ」、「郷土誌の窓」(署名N)。第3号から毎月登場するのは「校正クイズ」、これは小林でしょう。それに外部の人たちの寄稿が増えてくる。
今回は島田の文章を追ってみる。
第2号「身辺雑記――禁煙のこと」
第3号「朝比奈隆氏のこと」
第4号「古書店讃歌余話」 「週刊」時代に書いた「古書店讃歌」に読者から返信があった。
第5号「続古書店讃歌」
第8号「鄭京和(キョン・ファ・チョン)のこと」 ヴァイオリン奏者。
第9号「私の書斎」
第14号「今年の終りに」
第15号「非定価本騒動顛末記」
第16号「二つの詩集について」
第18号「サロンコンサートへのお誘い」
第21号「金昌国君のこと」 高校の同級生でフルート奏者。
第22号「海文堂書店のオープンにあたって」 店舗大改装。
(次号から「誌名」が変わることになる)
身辺のこと、好きな本・音楽、業界問題、経営者としてなど話題はさまざま。2年ほどの間、業界では80年に再販制で動きがあった。【海】では81年店舗大改装。
第14号「今年の終りに」(80年末)より。
小林からこのテーマを与えられたが、なかなか書けない。
――山口百恵、ツービート、B&Bと、今年の話題のミリオンセラーを挙げようとするだけで溜息が出ます。創刊誌が実に240誌にも達し、まさに、週休2日制で、毎日必ず新しい雑誌が創刊されてきた勘定になります。(略)これだけ創刊ラッシュがあり、定価アップもあって、雑誌全体の伸びがやっと10%程度では見せかけの賑わいの陰には、死屍累々たるものがあったということです。……――
10月新再販制度。「定価」ではなく「価○○円」の表示、非再販の「自由価格本」が流通可能になったのだが、その「自由価格本」はなかなか出ない。第1号は81年1月、当時の公取委員長の著書だった。これについては後日。
【海】のニュースとしては、コーべブックス、南天荘書店との合同フェア「神戸から読者へ」と、フェアのための冊子『神戸図書ガイド』発行があった。
(平野)