新年おめでとうございます
■ むのたけじ 『99歳一日一言』 岩波新書 より
一月一日
拝むなら自分を拝め。
賽銭出すなら自分に渡せ。
自分をいたわれ。
自分こそ一切の原点。
■ 小沢昭一 『芸人の肖像』 ちくま新書 より
万歳の門付。正月に家々を訪れる大道祝福芸。写真は「三河萬歳」。
――門付芸は本来、村から町、町から村へと、神の代理人めかして祝禱して歩いた放浪遊行の芸能者によって行なわれ、その芸には呪術的要素が強かったという。その呪術はこの国の芸を担う人びとが、自分たちの上に重くのしかかった賤視をはねのけ、高飛車に世渡りしてゆく手だてともなったようだ。事実、人びとは流れの乞食芸人とさげすむ一方、むげに断わると呪われるような気がして、畏れもしたのであった。
今や、人びとの暮しから信仰はなくなって呪術は通用しない。そして宗教性を抜いた残りの芸能は現代には単純、退屈なものである。もはや門付どころか“茶の間付”の芸能をテレビが四六時中送りとどける世となった。……――
◇ 「神戸新聞」2013.12.29「本」欄
鈴木創士「もぐら草子」は「秘密」について。
国家や政治の「秘密」ではなく「こちら側」の秘密=「良き秘密」。
私たちの暮らしのなかにある小さな「秘密」。歴史であったり、地域のつながりであったり、人情だったり……、阪神・淡路大震災とその後の「公共的」区画整理で多くの「秘密」が消えてしまった。
――自然災害ではないこともある。残念なことに、今年神戸の風景からまたひとつ「秘密」が消えてしまった。……(【海】閉店について)――
アレクサンドリア図書館の焼失によって、人類の叡智=膨大な「秘密」が消失したことと【海】閉店を並列してくださる。
――本とは「秘密」の宝庫である。(略)芸術や文学が「秘密」でなかったならば、じつに何千年にもわたってこんな無駄なことを人類は営々と営んだりするはずはない。いくら言葉に共通の意味があるとしても、そもそも言葉や知恵、そして勿論、美自体には「秘密」が含まれているからである。――
写真で全文読めるかな?
「本」欄・書評では、『本を愛しすぎた男』(原書房)を岡崎武志、『花森安治伝』(新潮社)を椹木野衣が担当。『福島第一原発観光地化計画』(ゲンロン)、『宮本常一離島論集』(みずのわ出版)の紹介も。共同通信配信のものもあるでしょうが、小さな出版社に目配りしている。
(平野)
友人のお子さん一家から年賀状、赤ちゃんの満面の笑みにほっこりしています。
プーおじさんにも賀状は届く。
本年もよろしくお願いいたします
友人のお子さん一家から年賀状、赤ちゃんの満面の笑みにほっこりしています。
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