◇ 【海】史(14)―8
■ 『月刊 Blue Anchor』(8)
☆第15号 30ページ 表紙の絵、ヤン・フリッツ(小林の知人、スウェーデン人)
中国残留日本人孤児 川北奈加
Gメン生活夜話 井上豊
私のふるさとと屋島――「歴史の旅・瀬戸内」杜山悠著 秋田書店―― 友沢うらら
偕成社の偉人伝 植村達男
1970/11/25 海老原明美
たんざく つつみたかひこ
ぶっく・えんど
郷土誌の窓
海文堂案内板
井上は海上保安本部勤務、「海のGメン」。
友沢も不明。俳句の方で同姓同名の方がいる。ふるさと「庵治(あじ)」は屋島のすぐ東。
植村、小学1年生の娘さんに買ってあげた偉人伝は、自分が小学生の時、父に買ってもらった本と同じ「偕成社」だった。
海老原。「1970/11/25」は村上春樹『羊をめぐる冒険』の第1章であり、三島由紀夫自決の日。海老原の卒論は三島の対人恐怖に関する研究だった。
つつみ、当時文学書担当。1年間の売り上げ動向。
〈ぶっく・えんど〉
小林秀雄死去。
『神戸図書ガイド』刊行時にお世話になった方の蔵書が大学に寄贈された話。
盲人用ワープロ開発。
また2ヵ月あいている。
稲日大女郎(いなびのおおいらつめ)と穀霊 松本翠耕
棚田真輔『神戸の野球史(黎明記)』を読む 大森尚
小松菜の花――昭和二六年の「小学三年生」正月号―― 植村達男
むかしもとまち スズラン灯の下で 林喜芳
坂の上の家――異人館散策記―― 真砂早苗
本ものということ 異邦人T・O
郷土誌の窓
海文堂案内板
大森は毎日放送勤務。棚田の本は六甲出版より。
「むかしもとまち~」、今回は林個人と元町商店街の関わり。林は生まれも育ちも西の湊川新開地。元町6丁目の印刷屋に勤めるようになる。大正15年(1926)9月のこと。翌年7月元町商店街の西口に三越が開店した。林の領域であった新開地も賑やかだったし、小さいながら百貨店もあった。洋風建築も見慣れていた。
――さすが老舗を誇る三越というだけあって、風貌と言い、雰囲気と言い、あたりを払うものがあって、私など貧乏人は近寄り難い威風に遮られる。場所が元町と言うだけで私たち新開地人種は緊張した。……――
T・O、京都の居酒屋で詩人と酒を酌み交わす。ただの男同士で飲む。その関係を保ってくれている相手を「本ものの詩人」だと思う。
〈海文堂案内板〉 突然の休刊のお知らせ
――この「ブルーアンカー」もこの号が最終の号となりました。(略)休刊中も含めて、神戸の一小書店がこのような書店誌を四年以上にわたって刊行し続けることができたことは書き手の皆さんのあたたかいご協力と共に、読み手の皆さんの熱心な激励があったからに他なりません。五〇〇部、四〇〇部、三五〇部と部数はまちまちながらこのミニミニ書店誌を読んでくださった皆さんに心から御礼を申しあげます。――
(平野)