◇ 【海】史(14)―4
■ 『月刊 Blue Anchor』(4)
☆第6号 27ページ
少年と本 国領駿
神戸野球物語[Ⅰ] 棚田真輔
現象学の思い出 海老原明美
汽笛(下) 角本稔
ぶっく・えんど
郷土誌の窓
海文堂案内板
国領は加古川流域史学会代表。大正ヒトケタ世代、埼玉県出身。小5の時、ドケチと思っていた父親が高級な双眼鏡と月刊誌2冊を買ってくれた。初めての本。その後も毎月雑誌が届く。文学少年となり、進学して下宿生活。本郷の古本屋で「梁塵秘抄」を見つけた。金足りず。仕送りを待って古本屋に走ったが、後の祭り。今、本を読まない周りの若者たちに憎まれ口をたたいている。
「積読(つんどく)より乱読者なれだ。漫画もそれなりにいいかも知れないが跛行というもんだ。本を読まないような者、俺の家に来るな」
棚田は神戸商科大学教授、スポーツ史研究。
海老原は船橋市在住。学生時代の師、友の思い出を書く。師は精神病理学者・小木貞孝=作家・加賀乙彦。
☆第7号 32ページ
帆船切手と私 八木亜夫(つぎお)
南京街の半世紀 岸百艸
「南京街の半世紀」注解に寄せて 三船清
むかしもとまち「青い錨」 林喜芳
父と食べ物 白井操
ぶっく・えんど
郷土史の窓
海文堂案内板
八木は毎日新聞論説委員。当時毎日新聞に連載していた塚本邦雄のコラムが単行本になるにあたり、八木が装幀用に切手を提供。そのことを塚本が書いて、“コレクター”として有名になってしまった。帆船切手の魅力にとりつかれ、「もはや身動きとれぬ」と書く。コレクションの一部も掲載。
岸は俳人。戦前は映画原作者、戦後は南京街で古本屋、書物雑誌「書彩」発行。1976年、74歳で死去。本文は「歴史と神戸」(第7号、1963年、神戸史学会)から転載。
三船は神戸史学会会員。
林(1908~1994)は詩人、著書に『わいらの新開地』(冬鵲房)他。本誌「Blue Anchor」も「青い錨」だが、フランス語だと「ランクル・ブルウ」。その名のカフェーが元町5丁目にあった。画家・詩人の今井朝路の店、昭和の初めのこと。
文中に【海】のことが出てくる。
――蛇足ながら大正の末、昭和のはじめの頃の海文堂は一番街協和銀行のところにあって、海事関係の堅い書籍で埋まっていたようなお店であった。私は「裸人」とか「街頭詩人」という同人誌の依託を幾度かお願いに行ったことがある。ご主人は快よく店頭に場所をあけて平積みにして置かせて下さった。それが有難く、いまも覚えている。――
新証言だが、【海】にはこれを確認できる資料がない。「協和銀行」は商店街の東口、現在「ユニクロ」が入っているビルだった。商店街の資料では同じ場所に「安田貯蓄銀行」「大井肉店」と並んで「土井書店」という記録がある。今のところ「未確認情報」扱いとします。
〈郷土史の窓〉
『神戸港一五〇〇年』(海文堂出版)、『神戸の文化財』(神戸市教育委員会)など。
『神戸港一五〇〇年』(海文堂出版)、『神戸の文化財』(神戸市教育委員会)など。
〈海文堂案内板〉
「海文堂絵本ブッククラブ」会員募集案内。【海】が選んだ絵本72冊から、お母さまが1年に12冊を選択し、【海】が月1冊お届けする。絵本代金と送料要、会費無料。会員特典として、クリスマスに絵本プレゼント、誕生日にバースデーカード、【海】でお子様の読書記録、新刊書・催事案内。
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(平野)
岸と林の文章は貴重。
岸と林の文章は貴重。