■ 中島らも 『啓蒙かまぼこ新聞』 ビレッジプレス 1987年12月初版(私のは88年2月2刷)
装幀 日下潤一 編集 村上知彦 チャンネルゼロ
目次
微笑家族 啓蒙かまぼこ新聞
中島らも4コマ傑作選
中島らもとニュー・ウエストの抬頭 村上春樹
あとがき
らも、広告会社勤め時代の仕事。「かねてつ食品(株)」のち「カネテツデリカフーズ」の広告。『宝島』『プレイガイドジャーナル』に載っていた。
「啓蒙かまぼこ新聞」の1コーナー“苦笑マンガ ご・ぼ・て・ん”が“微笑家族”となるのだが、最初のうちは“徴笑~”になっていた。ワザと?
村上春樹の解説。らもの文章を好む、と。
「(広告主の)実在性を消してまわって物事を何の意味もない純粋な冗談にすり変えていく」努力。「関西弁的なノリの良さ」。吉本に代表されるディープ・ウェストではなく、ニュー・ウェスト型というべき「ノリがライトで、ひねりがあって、どちらかといえば個人性が勝っている」=阪神間型。
遊び心だらけの広告だが、伝えるべきことは伝えている。「かねてつ」から「カネテツデリカフーズ」に社名変更した時。
別にいばってるわけではないが「還暦」なのだ。かねてつ。
創業が大正十五年(昭和元年)だから、昭和の年数がそのままかねてつの年齢になるわけだ。え?おじん?そういう失礼な言い方せずに「しにせ」と呼んでほしい。本社工場は神戸の中央市場のまん前にある。そこで、午前四時から社長自らが魚を買いつける。社長の目が光っているので、魚の目も光っている。そんなピチピチした新鮮さを追求して六十年。これからも練製品に限らず、高タンパク・低脂肪のシーフードデリカを食卓にお届けする。
そんな「気合い」を込めて、新社名。「カネテツデリカフーズ」社名は変わってもおいしさは変わらない。何とぞお引き立てのほど。
7月26日はご命日。
「中島らもメモリアルWEEK2014」http://ramo-nakajima.com/memorial/(平野)海の日や海の本屋を懐かしむ よーまる