2014年7月24日木曜日

大阪圖書出版業組合記念史


 『大阪圖書出版業組合記念史』 大阪圖書出版組合殘務事務所編纂兼発行 昭和十八年四月発行 非売品

 村田社長所有のコピーを借りている。

 1940年(昭和158月、国策により出版業者の団体はすべて解散。大阪図書出版業組合は以前に出した『二〇年史』に続く5年分の記録と解散後の残務整理記録を出版した。

 これらは東京の組合資料も合わせて2008年金沢文圃閣が復刻している、全3巻。

大阪図書出版業組合は順調な発達の道途にあり。昭和十六年の春には創立二十五周年の祝賀をすべく「大阪名家著述目録」の記念出版や、祝賀招待会や、記念市会と、皆それぞれの委員を設けて準備を進めつつあったところ、十五年八月に入り内務省当局よりの内示により、出版業者の団体は凡て解消して一丸と成らなければならぬ事となり、業界は大衝動を受けた。我組合も所謂発展的解消をなした。誠に一抹の寂しさを感ぜずには居られなかったが、幸に各会員は文協よりの用紙の一元的配給や、日配の設立による取引の窮屈さや、新制度による営業上のいろいろの変革にも動ぜず、意気衝天の慨を以て、良書の出版に専念せられたのは実に心強き極みであった。……

昭和十八年一月  博多久吉識

 原文は旧字・旧かな。博多久吉(博多成象堂、講談小説など出版)は組合組長。
 大戦争に向かう国家の重圧がひしひしと。

 解散当時の役員写真がある。村田社長に解説してもらう。創元社、駸々堂、増進堂、大阪宝文館の経営者たち。村田社長の義父にあたる人、【海】元重役・清水部長の父上の姿もある。村田社長が業界に入った頃はご健在だったのでしょう。
 


(平野)